女子テニスの国際大会「東レ・パンパシフィック・オープン」(大阪・ITC靱テニスセンター)のシングルス準決勝で、世界ランキング4位の大坂なおみ(21=日清食品)が同24位のエリーゼ・メルテンス(23=ベルギー)に6―4、6―1のストレートで勝利。同日に行われた準々決勝に続き、一日2勝を挙げて決勝進出を果たした。

 前日(21日)が雨天順延となったため、この日はダブルヘッダー。準々決勝の勝利から約2時間後にコートに登場した大坂は元気に観客に手を振り、午後4時前に試合がスタートした。

 第1セットはファーストゲームをキープ。続く第2ゲームは40―0まで追い詰めながらブレークできず嫌な流れとなったが、第3ゲームはパワー満点のサーブを炸裂させてキープした。その後、両者一歩も譲らず5―4で迎えた第10ゲームをブレーク。最後はネットインという運にも助けられ、大事なセットをものにした。

 第2セットは一方的な展開になった。重くて速いサーブで相手の体勢を崩し、ストロークでも強烈なショットを連発。ファーストサーブ成功率も全試合の48%から63%に上がった。第2、4、6ゲームと立て続けにブレークを奪った大坂は第7ゲームをキープし、わずか1時間で試合を決めた。

 試合後、大坂は「(相手は)とてもいい選手ですが、落ち着いて試合できたと思う」と満足げ。海外メディアからの「日本のテニスが盛り上がっているが、あなたの成功がもたらしているか?」という質問に対して「日本にテニスのブームを起こしたのはニシコリ、日本の第一人者もニシコリ。私がブームをもたらしたとは考えていないし、私が大きく変えたとも思っていない」と冷静かつ謙虚に語った。

「東レ――」で過去2回決勝に進出しながら優勝がまだない大坂は「三度目の正直を」と意気込む。また、自身の決勝進出は4大大会2連続Vとなった1月の全豪オープン以来。この8か月は2度のコーチ解任、世界1位陥落、メンタルの乱れ、新たな恋…とコート内外で様々な経験をしたが、生まれ育った原点の地・大阪で完全復活は目前。決勝は22日、世界41位のアナスタシア・パブリュチェンコワ(28=ロシア)と対戦する。