初のオリジナル漫画「宙海町ねこまた堂」出版 イラストレーター・もなかさん(青森・弘前市)

出版した漫画を手に喜びを語るもなかさん

 青森県弘前市のイラストレーターもなかさん(34)が、漫画「宙海(そらみ)町ねこまた堂」(KADOKAWA)を3月に出版した。自身初のオリジナル作品で「とにかくうれしい。機会があれば続編も描きたい」と喜びを語った。

 記憶を失った女性ミハトが主人公。見知らぬ町で目覚めたミハトは、古道具店を営むねこまた店主に誘われ宙海町で暮らし始める。アンティークが並ぶ店に集うのは、言葉を話す動物や天使たち。夢の中のような世界を舞台に、心温まる交流を描いた物語だ。

 数年前に同人誌で描いた作品を交流サイト(SNS)で発信していたところ編集者の目に留まり、新たなキャラクターやストーリーを加えて全9章に構成した。「同人誌の作品には、せりふや舞台設定がなかった。話を動かすキャラクターが必要だと考え、弘前にたくさんある古道具屋や雑貨店を参考にした」と話す。

 「10歳から知りたいバリアバリュー思考 自分の強みの見つけかた」(KADOKAWA)など、脚本や原作がある作品に漫画やイラストを提供してきたが、今回はストーリーから全て自分で手がけた。「編集者と何度もやりとりして構想を練り相談しながら進めた。本屋さんに並んだときは純粋にうれしかった。貴重な体験ができた」ともなかさん。「物語は未完。本にできるか分からないが、機会があれば続きを出したい」と話している。

 「宙海町ねこまた堂」はA5判、160ページ、1430円(税込み)。

© 株式会社東奥日報社