渋沢栄一が「自分の未来に悩む30代」に贈る言葉 折れそうな心を支え続ける「大丈夫の試金石」

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30代は自分の未来に悩む微妙な時期(漫画:イマイマキ)
新型コロナウイルス蔓延による外出自粛、慣れないリモートワーク、暗雲垂れ込める経済状況……、暗い話題ばかりで、自分の未来に不安を抱く人も多いと思います。特に30代は、いまのままでいいのかと悩む微妙な時期です。こうした状況を乗り越えるにはどうすればいいのでしょうか。
33歳の決断で500社ほどの有名企業を育て、日本の資本主義の父と呼ばれた渋沢栄一は、逆境のなかでも心の支えとなる多くの言葉を残しています。渋沢栄一の玄孫(やしゃご)にあたる渋澤健氏に、渋沢栄一が残した言葉をもとに、自分の未来に悩む30代に向けて、折れない心のつくり方について語ってもらいました。
(漫画:イマイマキ)

安定した生活が生涯続くかは誰にもわからない

社会人になったばかりの頃は、「僕は、私は、この会社でこんなことをしたい」という期待に満ちた気持ちでキャリアをスタートさせたことでしょう。ところが、社会人も10年目になると、夢よりも現実が先に立つと思います。

『33歳の決断で有名企業500社を育てた渋沢栄一の折れない心をつくる33の教え』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

なかなか変えられない過去の慣行、上意下達で行われる命令系統、ややこしい人間関係、頭が固く自己保身に一所懸命な上司、無駄な同調圧力……。

これらに絡めとられ、徐々に組織の論理に巻き込まれてしまいます。それも、組織の規模が大きくなればなるほど、この傾向が強まっていきます。

もちろん、いまの会社が嫌なら辞めて新天地を探せばいいのでしょうが、転職には勇気が必要です。もし、いまの職場は夢がないけれども生活が安定していれば、ますます転職する勇気は萎えてしまうでしょう。

でも、よく考えてみてください。いま、安定していると思っている場所は、本当に安定しているのでしょうか。

違いますよね。会社は大企業でも、いつリストラされるかわかりません。M&Aによって人員が削減されるケースもあります。かつて大手都市銀行に入行して一生安泰と考えていた人も、その後、メガバンクが形成される過程において、大勢が首を切られました。

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