回復期待でも出遅れた「大型バリュー株100」 「会社四季報プロ500」は割安株に注目

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みずほFGは大規模なシステム障害後も株価上昇が続いた(記者撮影)

一時調整局面にあった日経平均が再び2万9000円を回復し、堅調な値動きを続けている。アメリカを中心に長期金利の上昇が続き、成長期待の大きい新興株の上値が重くなる一方で、堅調なのがバリュー株。特に、低PBR銘柄で新年度の回復が期待される銘柄への物色意欲が強い。

日経平均が一時3万円を超すほどの株高になっても依然としてPBR1倍割れの銘柄は多い。こうした解散価値を下回る現状を見直す動きが続いているようだ。

3月19日(金)発売の『会社四季報プロ500』2021年春号では、好業績や高配当、少額投資、M&A、グリーン、新技術など、相場をリードする有望テーマを解説。バリュー株についても、低PER、低PBRの銘柄を数多く選んで掲載している。

地銀とメガバンクは割安水準

今回は時価総額2000億円以上の大型株に限定し、2021年度最終減益見通し、無配予想の銘柄を除いて、PBRの低い順にランキングしてみた。

3月19日(金)発売の『会社四季報プロ500』2021年春号は割安株に注目。書影をクリックするとサイトにジャンプします。

まず、上位に目立つのが銀行株だ。特に地銀株は再編期待で若干の値戻しはあったものの、超低金利下での利ザヤ縮小に苦しみ株価の低迷が続いていた。それがようやく底打ちしてきた格好だ。

1位となったのは、長野地盤の地銀である八十二銀行。足元は株価急反発局面にあるが、それでもPBRは0.3倍を下回る。配当利回りも3%台で依然割安といえそうだ。

メガバンクのPBRも依然割安水準。2月28日に大規模なATM障害を起こしたみずほ銀行を中核とするみずほフィナンシャルグループもPBR、配当利回りとも割安圏にある。ただ昨年末の終値で1307円だった株価は、年初からアメリカの長期金利の上昇による利ザヤ改善を期待した値動きが続く。

1月5日にアメリカ・ジョージア州の上院選を民主党が制し、トリプルブルー(政権と上下両院が民主党の党色であるブルーに染まる)が実現すると、経済対策にともなう国債増発→金利上昇の連想から一気に買いが膨らみ、1月6日に1361円、1月7日に1421円をつけるなど急騰。上値をおさえてきた13週線、26週線、52週線を連続突破しトレンド転換を果たした。ATM不祥事発生後も、足元は1600円を上回っている。

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