波乱相場で異変!「時価総額ランキング」TOP100 ソニーや日本電産が上昇、菅政権で通信は後退

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昨年から時価総額を大きく増やしたソニー。2020年に発売された家庭用ゲーム機「プレイステーション5」は世界中で品薄が続く(記者撮影)

日本株は新次元の春を迎えている。1年前はコロナショックで日経平均が一時1万7000円を割り込む株価暴落に見舞われたが一変、足元は日経平均が3万円付近で推移している。世界的な金融緩和や大量の海外マネーの流入もあり、主力銘柄の多くが時価総額を急拡大させた。

ただ、コロナ影響が長引く鉄道各社や昨年前半に人気化していたウィズコロナ銘柄の一角で、市場価値を下げたところも少なくない。期末の顔ぶれの変貌度合いを検証してみた。

多くの企業で決算期末を迎える3月末。保有株の株価水準は評価益や評価損の発生につながるだけに、注目されるところだ。株価の評価益が発生しそうな銘柄には早くから市場の関心が向かった。

たとえば取引先に任天堂や日本電産、村田製作所などの京都地盤の優良企業を多く抱える京都銀行。これらの銘柄の大株主にも顔を出すことから含み益期待の買いが膨らみ、株価も上昇トレンドを描いている。これから本格化する決算発表でも含み益が膨らむ銘柄も数多く出てきそうだ。

株高でソフトバンクGが急上昇

ということで、注目された今年の3月末の時価総額ランキング。首位に立ったのは昨年に続きトヨタ自動車。2021年3月期はIFRS移行で前期との単純比較はできないが、上期の苦戦が響いて減益着地となりそう。ただ、期初に公表した見通しからは上方修正を繰り返し、時価総額も昨年3月末の21.5兆円から28.5兆円に7兆円増加させ、文句なしの首位だった。

一方、6位から順位を大きく上げて2位となったのがソフトバンクグループ。時価総額は実に11.5兆円も増やして19.4兆円に達した。投資会社としての性格を強めており、アメリカ・ナスダック株を中心としたハイテク関連の株高を受けた上昇となった。

とはいえ前年の8兆円割れが異常といえた。2019年3月末に11.8兆円あった時価総額を大きく減らした背景には、2020年3月期に株評価損などで1.3兆円の営業赤字に沈んだことが大きい。株安で財務体質が急激に悪化したことを受けて、格付会社のS&Pやムーディーズが格下げしたことも追い討ちをかけた。

それが世界的な株高を受けて、同社の業績も急反発。2021年3月期の最終利益は3兆円を超え、最高益を更新する見通し。株価も人気化が顕著だ。

前年の5位から3位に上昇したのがソニー。こちらも6.5兆円増やしてのベスト3入り。ゲーム、映画・音楽、半導体(CMOSセンサー)、金融がそれぞれしっかり稼ぎ、課題のエレキも想定以上に回復。当初は減益予想だった2021年3月期業績は相次ぐ上振れで最高益更新。最終益は1兆円を突破したもようだ。株価も2000年以来の高値圏まで上昇した。

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