「大宮駅周辺の渋滞」解消なるか さいたま市が「中山道の地下バイパス化」など検討中 大規模開発を見据え

さいたま市が、鉄道事業者や地元まちづくり団体と連携して進めている「大宮駅グランドセントラルステーション構想」(GCS構想)には、駅の改良だけでなく、道路整備計画も盛り込まれています。どのような検討をしているのでしょうか。

再開発エリアを結ぶ「地下車路ネットワーク」も

 さいたま市は、鉄道事業者や地元まちづくり団体と連携して「大宮駅グランドセントラルステーション構想」(GCS構想)の検討を進めています。この構想は、駅の東西を結ぶ新たな東西通路の整備、駅周辺の再開発、都市基盤整備を一体的に行うものです。これが実現すれば、低層の建物が密集し、防災面で課題を抱えている大宮駅東口が様変わりします。

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大宮駅東口の交差点(画像:写真AC)。

 現在でも大宮駅周辺の道路は混雑することが多い中、大規模な開発が進めば駅周辺に更なる交通負荷がかかることが予測されます。そのため、市では構想に「道路整備計画(案)」を盛り込んでおり、駅周辺の道路事情の抜本的な改善を図ることを目指しています。
 
 具体的には、駅の東側を縦断する「中山道の地下バイパス化」と、駅北側を横断する「大宮岩槻線の4車線化」を検討。中山道は大栄橋交差点北から吉敷町交差点北まで地下バイパス化、大宮岩槻線は桜木町交差点から産業道路交差点までを4車線化するとしており、これらの実現可能性を精査していく予定です。
 
 さらに、再開発事業を想定している駅前の5つの地区(南地区、中地区、北地区、宮町一丁目地区、西地区)を地下車路ネットワークで結び、自動車交通量の増加に対応することも視野に入れています。ただ、こうした道路整備は長期間を要するため、当面は「交通需要マネジメント」によって混雑緩和を図るとしています。
 
 大宮駅周辺の道路は混雑する一方で、駐車場は供給過多となっています。そうした状況を踏まえ、市では駐車場附置に関わる制度を見直す方針で、駐車場台数を削減したうえで、駅周辺への交通流入を抑制することを検討しています。駅周辺の外側に交通や駐車施設を誘導し、歩行者優先の環境整備を目指す方針です。
 
 大宮駅グランドセントラルステーション構想をめぐっては、再開発を検討している駅前5地区のうち、高島屋などがある「南地区」と、「すずらん通り」などがある「中地区」は2023年度の都市計画決定を目指しており、構想実現に向けた動きが本格化しています。
 
 ただ、先述の地下車路などの道路整備に関しては、2023年3月に開かれた「第3回大宮GCSまちづくり調整会議」において、再開発準備組合の地権者から、地下を大規模に掘削することによる建設費の増加を懸念する意見も出ており、どうなるかは予断を許さない状況です。

【了】

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