高さ数十ミリの位置のキャベツの茎をAIが推測し収穫する! 北海道から目指す農業の自動化とは

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北海道でキャベツの生産を全て自動化する実証実験が行われています。生産の工程の中でも一番難易度が高い収穫はどのように自動化しているのでしょうか。

無人の農業機械が全工程を自動化

農業機械の自動化

十勝の鹿追町。十勝平野の北西部に位置し、酪農と畑作が盛んな場所です。広大な畑ノズルから農薬が出ています。運転席を見ると…なんと、人が乗っていません!農業機械の自動化の実証実験です。

帯広畜産大学 佐藤 禎稔名誉教授:
「作物に合わせて一定量の農薬をまかなきゃいけないので、 例えばスピードが変われば噴霧量を調節しなきゃいけない。こういうことができるのは多分世界的に見てもこのスプレーヤ(散布機)しかないと思います」

実験を行っているのは、農業機械大手のヤンマーや大学などでつくるコンソーシアム。目標はキャベツ生産の自動化です。農家の人手不足が続く中、土をつくるところから収穫まで、全ての工程を自動化するのが、今回の狙いです。

収穫機械の操縦技術の習得には数年かかってしまう

わずか高さ数十ミリの位置に機械を当てる

最も難しく、最後のハードルとなったのが収穫。手作業の場合、15アールの収穫に、5~6人で1日中かかり、人手も時間も必要です。

およそ10年前にヤンマーなどが収穫機械を開発し、作業時間は半分に減りました。しかし…

ヤンマーアグリ開発統括部 村山 昌章さん:
「キャベツの茎がある高さわずか数十ミリのところに機械に取り込む部品を正確に当てなきゃいけないところが非常に難しい」

キャベツの茎は葉っぱで隠れていて、運転席からは見えません。キャベツ本体を傷つけてしまうと売り物にならず、操縦の技術を習得するには数年かかると言います。

2台のカメラの映像からAIが茎の位置を推測する

2か所から撮影

人手不足の中、熟練者を収穫の時期に確保するのは簡単ではありません。人間でも難しいキャベツの収穫を、どのように自動化するのかというと…

機械の上と横に、2台のカメラが!横のカメラはキャベツの高さや機械との距離を、上のカメラはキャベツの左右のズレを見ています。

これらの映像から、AIが茎の位置を推測し、操縦しているんです!AIに画像を大量に覚えこませるやり方自体は多くのAI技術と同じです。

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