「かつや」のトップが独立!格安フレンチにあんかけやきそば...驚きの店作りに密着!:ガイアの夜明け

12月2日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「いま動き出す!外食の"革命児"」。番組がこれまで追いかけてきた外食の革命児たちの新たな挑戦に密着した。

あの「かつや」の若きトップが独立!老舗中華とタッグで生む新しい店


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国内外に500店舗を展開する人気とんかつチェーンの「かつや」。その運営会社の社長だった臼井健一郎さん(49)が、去年独立。力士のセカンドキャリアを応援するためにつくられた「横綱とんかつ どすこい田中」や、リーズナブルな価格で料理を楽しめる「フランス大衆食堂 ブイヨン本郷3」など、驚きの店を次々と仕掛けている。

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臼井さんの新たな会社「U.RAKATA(ウラカタ)」(東京・台東区)は、ビルの一角、築46年のワンルームにある。かつては従業員数6300人を率いていたが、今は社員5人だけ。その名の通り、外食企業のコンサルティングも手掛けており、すでに10社以上と契約している。
そんな臼井さんを新たに頼ったのが、原宿に本店がある「南国酒家」(1961年創業、直営店17店舗)。一流料理人が腕を振るう本格的な味が常連客の舌と心をつかみ、常連客からは「ここに来て失敗したことが一度もない」と好評だが、コロナの影響もあり、売り上げが減少。創業家の社長、宮田順次さんは、変革を迫られていた。

「中華は1部屋に10人くらい集まって、ワイワイ、ガヤガヤして食事するのが今までの主力の使い方だったが、減っている。今まで通りの"個室で中華を楽しんでください"というだけでは、全く通用しない時代が来ている」。

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宮田社長が臼井さんに依頼した内容は、「南国酒家」1番の人気メニュー「あんかけやきそば」の専門店を作り、チェーン展開したいというものだった。臼井さんはすぐに厨房へ。まず、あんかけやきそばの作り方を確かめる。

この道27年のベテランで、新しい専門店の責任者・岩本憲一さんが、長年の勘で手際良く料理を仕上げていく。一連の工程を確認した臼井さんは、岩本さんに気になったことを指摘した。

「職人の目分量や食材を入れるタイミングなどは難しいところ。目分量のところをいかに数値化するか」


臼井さんが社長をしていた「かつや」では、パートやアルバイトでも調理可能な工夫がされている。工程はマニュアル化され、厨房には自動でとんかつを揚げてくれる機械まで。チェーン展開するには、どれだけ作業を効率化できるかが鍵なのだ。
しかし岩本さんは、「可能な部分と可能じゃない部分がある。新しいことをやっても、味だけは変えてはいけない。これは絶対」と主張。

そこで臼井さんは、岩本さんを、「かつや」時代に立ち上げた「東京たらこスパゲティ」原宿表参道店に連れ出した。たらこスパゲティに特化した専門店で、10種類以上のメニューがある人気店で、都内に3店舗ある。
そこには作業を効率化する様々な秘密が隠されていた。決められた分量だけ取れるように作られた調理器具や、盛り付けを間違えないようにと写真付きの早見表も。岩本さんも「盛り付けやこうした工夫はさすが」と納得した様子。

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「南国酒家」の厨房に戻った岩本さんは、長年の勘で目分量だった材料を、正確に計量することに。さらに、効率化と味を両立させるすごい秘策を考えついていた。

そして、南国酒家の「あんかけやきそば1号店」は、飲食店が軒を連ねる激戦区、東京駅の構内に出店することが決まった。その試食会で、臼井さんに「あんかけやきそばの概念を覆している」と言わしめた、岩本さんの"すごい秘策"とは......。そして10月下旬にオープンしたこの新たな店舗。そこにはさらなる秘密も隠されていた!

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"繁盛店"の仕掛け人が仕掛ける...地方を元気にする店の正体


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居酒屋の激戦区、東京・新橋。大久保伸隆さん(39)は、この街で繁盛店を作り上げた革命児だ。「塚田農場」などを運営する大手居酒屋チェーン「エー・ピーカンパニー」の元副社長だった大久保さんは、4年前に退社。全国の名物料理が味わえる「烏森百楽」や、割烹着姿の女将が接客する家庭料理の店「新橋二丁目九番地 らんたん」、ミシュラン星つきシェフ考案のフレンチが味わえる立ち飲みバー「STAND BY Mi」など、個性豊かな16もの店を手がけてきた。

大久保さんの次なる挑戦の場は、茨城県。知られざる食材の宝庫でかつてない店を立ち上げようとしていた。しかし、地元の人に茨城の魅力を聞くと......

「茨城の魅力ですか? 納豆ぐらいしか思い浮かばないです(笑)」
「良いところはいっぱいあると思うけど、あまり発信しない。控え目なのかな」

茨城には生産量日本一のさまざまな食材があるが、「都道府県魅力度ランキング」(※ブランド総合研究所調べ)では、ここ10年で8回も最下位に。大久保さんはそんな茨城の食に徹底的にこだわり、地元の人も知らない魅力をPRしたいと意気込む。

「コンセプトは、東京の僕目線から見た茨城の良さを表現する"勝手にアンテナショップ"。行政は一切関わってなくて、僕自身でやります」

店はJR水戸駅から歩いて1分の場所に決まり、大久保さんは、早速食材探しに動く。

9月中旬、茨城・稲敷市。茨城はレンコンの生産量日本一を誇り、中でも、霞ケ浦の豊富な水で育った稲敷のレンコンは、肉厚で繊維質が細かいのが特徴。
レンコン生産者の宮本貴夫さんは、「"鬼おろし"にすると、あまり細かくなりすぎず、ゴロゴロ感もあってとろみと食感のどちらも味わえる」と話す。

続いては、水戸市の鮮魚店へ。太平洋に面した茨城県は、アカムツやカレイなど、年間を通して魚も豊富だ。
そして魚ときたら次は肉。実は茨城、養豚農家の数が全国3位の知られざる豚の産地。特に、偕楽園の梅が由来の「梅里豚」がおすすめだという。

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梅里豚は大麦やサツマイモなどを餌にし、きれいな井戸水で育てられた売り出し中のブランド。大久保さんは「知らないもんなぁ、茨城のこういうの」とつぶやく。

東京に戻った大久保さんは、これらの食材を使ったメニューの開発を一流シェフたちに依頼。さらに、「茨城の名店の味をメニューに加えたい」と考え、南北130キロ以上にも及ぶ茨城を駆け回る。

「茨城は名店があるが、いろんな所に散らばって行きづらいので、レシピを教えてもらって販売し、自然に茨城の良さに気づいてもらいたい」

大久保さんは店の宣伝をするだけでなく、メニューの売り上げの5%を還元する仕組みも考えていた。メンチカツが人気の精肉店の店主も「ありがたいお話。むしろうれしい」と歓迎する。

そんな大久保さんがぜひ店のメニューに加えたいと思う名店の料理があった。県の南部、龍ケ崎市にある洋食店「しゃりま」。名物は玉ねぎが丸々1つ入ったスープだ。開発した店主の小野間久美子さんによると、作るのに約2日かかるという。

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さっそく交渉するも、小野間さんは「こんなこと言うては何なんですけど、とにかく玉ねぎは息子を育てるより難しくて...。どんなに愛情かけても、裏切って崩れる。すごく難しい」と難色を示す。

その後、11月にプレオープンを迎えた、"茨城の魅力を伝える食のアンテナショップ"こと「食堂HEY」。大久保さんが見つけてきたさまざまな茨城の料理が並ぶ中、あの「しゃりま」の玉ねぎスープはどうなったのか。そして、小野間さんが流した涙のワケは...。

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