【コロナ対策情報付き】山種美術館の楽しみ方をガイド!近代・現代の日本画約1800点を所蔵

東京ウォーカー(全国版)

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山種美術館の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

竹内栖鳳 《班猫》【重要文化財】 1924年(大正13年) 絹本・彩色 山種美術館

山種美術館ってどんなところ?収蔵作品は約1800点

山種美術館は、山崎種二氏(山種証券・現SMBC日興証券創業者)が個人で集めたコレクションをもとに、1966年(昭和41年)7月、東京・日本橋兜町に日本初の日本画専門美術館として開館した美術館。

山崎氏は「絵は人柄である」という信念のもと、横山大観や上村松園、川合玉堂ら当時活躍していた画家と直接交流を深めながら作品を収集し、奥村土牛のように、まださほど知名度は高くなくとも将来性があると信じた画家も支援。そして、「世の中のためになることをやったらどうか」という横山大観の言葉をきっかけとして、美術館を創設するに至った。

その後も、二代目館長・山崎富治氏と共に、旧安宅コレクションの速水御舟作品を一括購入し、東山魁夷らに作品制作を依頼。コレクションの充実を図った。一方で、若手日本画家を応援するために「山種美術館賞」を設け(1971年から1997年まで隔年実施)、受賞作品を買い上げ、新たな才能を発掘・育成。こうして収蔵された作品は現在約1800点を数える。

1998年(平成10年)には、設備の老朽化に伴い、桜の名所である千鳥ヶ淵にほど近い千代田区三番町に仮移転し、桜の季節には、桜を描いた作品で多くの来館者の目を楽しませた。2009年には、渋谷区広尾に移転して新美術館をオープンし、さまざまなテーマによる展覧会を開催している。

山種美術館企画展示室


そして2016年、開館50周年を迎えた際に、21世紀のグローバル化した世界に向け、日本固有の財産である日本画の魅力を伝えていくため、「国籍や性別、年齢を問わず、世界のさまざまな人々に親しんでいただけるように」と、新たにシンボルマークを制作。また、世界へ羽ばたく新世代の日本画家の発掘・育成を目指し、公募展「Seed 山種美術館 日本画アワード 2016」を実施した。これからも、創立者の「美術を通じて社会、特に文化のために貢献する」という理念を継承し、理想的な環境づくりと質の高い展覧会を通じて、日本画の魅力を発信し続けていく考えだ。

【見どころ・イベント】貴重な収蔵作品の展示&さまざまなテーマの展覧会

所蔵作品は、日本画だけにとどまらず、古画、浮世絵、油彩画なども含まれている。同館は、岩佐又兵衛《官女観菊図》、椿椿山《久能山真景図》、竹内栖鳳《班猫》、村上華岳《裸婦図》、速水御舟《炎舞》《名樹散椿》の6点の重要文化財、酒井抱一《秋草鶉図》などの重要美術品を所蔵。また、120点の御舟コレクションや、70点を数える川合玉堂の作品、《鳴門》《醍醐》など戦後の院展出品作の大半を含む、135点の奥村土牛コレクションなど、近代日本画を語るうえで重要な画家たちの作品、約1800点あまりを所蔵している。そして、展覧会は年5、6回開催。日本の四季や花、自然をテーマとした企画、動物や「Kawaii」をテーマにした展覧会など、親しみやすいものや、作家に焦点を当てた個展などを開催している。

2020年9月19日から「【特別展】アニマル竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス 併設展示:ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》試作 特別公開」を開催守屋多々志 《西教伝来絵巻 下巻》試作 (部分) 20-21世紀(昭和-平成時代) 紙本・彩色


【グルメ】展覧会の出品作品をモチーフにしたオリジナル和菓子!

美術鑑賞の後には、同館1階に併設している「Cafe 椿」でティータイムを。駒沢通りのいちょう並木をガラス越しにのぞむ光あふれる店内では、特製和・洋菓子やオリジナルメニューを楽しむことができる。特に和菓子は、展覧会ごとに出品作品に描かれた花や果物、動物などのモチーフを選び、青山の老舗菓匠「菊家」に特別にオーダーした「Cafe 椿」オリジナルの甘味を堪能できる。人気のメニューは、展覧会に合わせたオリジナル和菓子を、抹茶と一緒に味わえる「和菓子 お抹茶セット」(税込1200円)だ。見た目も美しい和菓子は、上品な甘さとなめらかな舌触りを楽しめる。また、美術館創立者が米問屋から財をなしたことにちなんだ、米粉のチーズケーキ「雪うさぎ」とコーヒーなどの飲み物をセットにした「雪うさぎ ケーキセット」(税込1300円)もおすすめ。「雪うさぎ」は口当たりが軽く、ほどよい甘さが特徴だ。そして、さっぱりとした味わいの「美肌梅にゅう麺」(税込1100円)も見逃せない。こちらは、梅の酸味とコラーゲンボールがポイント。にゅう麺のメニューは、「季節のにゅう麺」(税込1350円)や「ヘルシーにゅう麺」(税込1300円)なども用意されており、300円プラスすると五目御飯のおにぎりが付けられるのもうれしいポイント。

【写真】「Cafe椿」オリジナル和菓子とお抹茶のセット。展覧会出品作品をモチーフにした和菓子も楽しめる※画像はイメージ


【お土産】人気のミュージアムグッズをチェック!

山種美術館の顔ともいえる日本画家・速水御舟の作品《翠苔緑芝》に描かれている“黒猫”をあしらったタオルハンカチ「速水御舟《翠苔緑芝》のミニタオルハンカチ」(税込550円)は人気のアイテム。タオル生地のため吸水性もよく、使いやすいのが特徴。そのほか、竹内栖鳳《班猫》や田能村直入《百花》など、同館の人気作品をモチーフにした「ブロックメモ」(税込550円)も注目だ。枚数も多く、大判で使いやすいサイズとなっている。

【混雑状況・回り方】展示の後に「Cafe 椿」へ

山種美術館の広報担当者によれば、「コロナ以前は、入館をお待ちいただくことはございませんでしたが、土、日、祝日は、1作品に1人お客様が常にいるような状況でした。特に土日、祝日は展示室はやや人が多く、15時頃のカフェは満席になることもございました。直近の状況は、混雑する時間帯はございませんので、ゆったりご鑑賞いただけます」とのこと。展示を鑑賞するための所要時間は40分程度となっており、「展示作品を楽しんで、そのあとに1階の『Cafe 椿』で過ごすのがおすすめです」と、おすすめの回り方を教えてくれた。

山種美術館外観(c)Koike Norio 2009


【料金】入館料金をチェック!

入館料は、一般1300円、大学生・高校生1000円、中学生以下無料(付添者の同伴が必要)。障がい者手帳、被爆者健康手帳を提示の場合、およびその介助者(1名)は1100円(※すべて税込)、左記のいずれかのうち大学生・高校生は900円。

【アクセス】最寄り駅は恵比寿!公共の交通機関を利用しよう

電車の場合は、JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口より徒歩約10分で到着。バス利用の場合は、恵比寿駅前より日赤医療センター前行き都バス(学06番)に乗車、「広尾高校前」下車徒歩1分(降車停留所3、乗車停留所4)。渋谷駅東口ターミナルより日赤医療センター前行き都バス(学03番)に乗車、「東4丁目」下車徒歩2分(降車停留所1、乗車停留所2)。一般専用の駐車場はないので、公共の交通機関を利用しよう。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

・時間ごとの観覧者数を調整するため、入館日時オンライン予約システムを導入しています。予約がなくても従来通り入館できますが、混雑時には入館を制限する場合があります。公式サイトには過去2週間の混雑状況を確認できる「混雑状況表」も掲載されているので、時間帯による混み具合なども確認できます。
・発熱や咳き込みなどの症状がある人、当日体調がすぐれない人、過去2週間以内に感染が拡大している国・地域への訪問歴がある人は来館を控えてください。
・入館時に非接触型体温計で検温を実施し、37.5度以上の発熱が確認された場合は入館できません。
・入館にはマスクの着用が必要です。
・入口にアルコール消毒液を設置しているので、手指の消毒をしてください。
・館内では他の来館者と十分な間隔を保ってください。
・展示室内での会話は控えてください。
・作品、展示ケース、備品や壁には手を触れないでください。
・スタッフは毎日検温を実施し、健康状態を確認しています。
・スタッフはマスクを着用し、受付など対面の場所では飛沫感染防止用のシートを設置しています。
・館内の手すり、ベンチ、トイレ、エレベーター、ロッカーなど、多くの来館者が手を触れる箇所は定期的に消毒および清掃を行っています。
・トイレに設置されているハンドドライヤーの使用を休止しています。ハンカチ、タオルなどを持参してください。
・休憩用のベンチでは他の来館者との間隔を確保してください。
・館内は適切な換気を行っています。
・「Cafe 椿」はテーブル数、座席数を減らして営業しています。
・館内で新型コロナウイルスの感染者が確認された場合は、保健所と適切に連携して対応すると共に、公式サイトなどで知らせます。該当する日時に来館したかを確認できるよう、自身で来館日時を記録することを推奨しています。
・混雑緩和のため、団体受付は当面の間中止しています。
・美術館受付での前売券の販売は当面の間中止しています。
・各種イベント(講演会やギャラリートーク)は当面の間中止しています。
・状況により予定が変更となる場合があるので、公式サイトやSNSで最新の情報を確認のうえ来館してください。

取材・文=平井あゆみ

<施設情報>
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
アクセス:【電車】JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口より徒歩約10分、もしくは恵比寿駅前より日赤医療センター前行都バス(学06番)に乗車、「広尾高校前」下車徒歩1分(降車停留所3、乗車停留所4)、または渋谷駅東口ターミナルより日赤医療センター前行都バス(学03番)に乗車、「東4丁目」下車徒歩2分(降車停留所1、乗車停留所2)
営業時間:10:00~17:00。最終入館16:30。特別展期間中は開館が変更になる場合あり
定休日:月曜(祝日の場合翌日)、展示替え期間、年末年始
駐車場:なし。 身障者専用駐車場あり(要予約)
料金:一般1300円、大学生・高校生1000円、中学生以下無料(付添者の同伴が必要)。障がい者手帳、被爆者健康手帳を提示の場合、およびその介助者(1名)は1100円(※すべて税込み)、左記のいずれかのうち大学生・高校生は900円。


※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年8月時点の情報です。

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