【漫画】闘うJK!「喰われてたまるか!!」仮初めの平和に決着?タカガメに従い続けた世界をブッ壊しに行く!

東京ウォーカー(全国版)

X(旧Twitter)で
シェア
Facebookで
シェア

第88回新人コミック大賞<青年部門>で大賞受賞した「GIANT TORTOISE KILLING」通称『JKがクソデカい怪物をブッ倒しにいく話』 。南賀なん(@LonewolfN)さんが描く本作には「アクションシーンがスゴイ」「名作!」「胸アツ!」とコメントが止まらない。

高層マンションよりも巨大な「タカガメ」に支配される人間は、タカガメにいつ襲われるか戦々恐々とした日々を過ごす毎日。タカガメに襲われて命を落とした人も、タカガメを憎むことなく共生する道を選んだ。そんな中で、1人の女子高校生が立ち上がるという話だ。応募作品の中でも稀に見る超大作を生み出した南賀なんさんに本作の制作秘話について伺った。

【漫画】タカガメに家族を喰われたJK。タカガメって一体、何者?第88回新人コミック大賞<青年部門>大賞受賞作画像提供:南賀なん(@LonewolfN)

――本作は、第88回新人コミック大賞<青年部門>大賞受賞作と伺いました。かなりの大作ですが、新人コミック大賞に応募するために執筆されたのですか?

そうですね。本来、新人コミック大賞の応募規定は「32ページ前後」なので、編集さんとは別の賞に出すことも検討していました。ただ、自分の漫画家(志望)としてのステップ的に賞レースに出せるのはこれで最後だろうという段階であったこと、尊敬する先生が審査員を務めていること、以前に大人の都合上、月例賞に出すことになりかけた際に(月例賞は月イチ、一方新コミは年2回と小学館の中でも最大規模なので、一般的に新コミの方が競争率が高くなります)全くもって燃えず、ペンが止まってしまったことなどもあり、半ば我儘を押し通して新コミに出させてもらったという経緯があります。ちなみに、それによって編集さんは上から大層怒られてしまったそうなので、本当に編集さんには頭が上がりません。

GIANT TORTOISE KILLING(2/172)画像提供:南賀なん(@LonewolfN)

――想像以上に壮大なストーリーでした。たった1人の少女の勇気に全てが救われましたね。本作に込められたメッセージはなんでしょうか?

一般化して言うと「我儘な願望や、叶えたいことを全て叶えられる自分勝手な選択肢を選ぶことも悪くないんじゃない?」といったところでしょうか。時にそれは周りの人間から反対され、ひんしゅくを買い「ことを荒立ててくれるな!」と煙たがれることもあると思います。でも、そういった感情や行動が全てを救ってくれることもあるんじゃないか、という極めて我儘な希望を込めた漫画でした。

カメが巨大化したような姿が「タカガメ」だ。GIANT TORTOISE KILLING(12/172)画像提供:南賀なん(@LonewolfN)

――タカガメと共に暮らすという世界観の話でした。一見、温厚にも思えるタカガメを悪役にしたのは、何か理由があるのでしょうか?

これが個別化した時のメッセージに関わるところになりますが、”タカガメ”というのはコロナの象徴です。コロナがいよいよ流行り始めた頃、メディアでは「Withコロナ」や「Afterコロナ」「新しい生活様式」などのワードが使われるようになりました。僕はこれらのワードになんとなく違和感を覚えていました。もちろん、現実的な選択肢としてはこれらの考え方は正しいのだと思いますが、僕は「みんなが本当に望んでいるのはそんな世界ではないのでは?コロナとの共生や新しい生活様式を強いられる世界ではなく、”コロナ以前”そのまんまのかつての世界なんじゃないの?」という思いがありました。そういったコロナの特性やコロナとの世間の関わり方を上手く表せるようにタカガメの生態や性格はデザインされています。そして、そんな世界に対しての”我儘な願望”を声高に叫ぶキャラクター、そんなキャラクターを主人公に据えた漫画というものがあってもいいんじゃないか、という思いがありました。

まるで化け物。ミサイルや銃では、タカガメを殺すことはできない。GIANT TORTOISE KILLING(17/172)画像提供:南賀なん(@LonewolfN)

――少女が1人で立ち向かう姿をみて、友達や賛同する人がタカガメを倒しにくるかと思いましたが、結果的に彼女1人で立ち向かいましたね。みんなの思いを彼女1人に託したのは、何か理由がありますか?

人間とは結果を出して初めて評価されるものです。とくにこんな傍迷惑なことをやらかす主人公は、1人で責任を持って倒し切るところまでやって、ようやく称賛されるかどうかというところだと思います。そしてもう1つ、主人公には作中に描かれる”3つのコンプレックス”を、あくまで主人公1人の身勝手な感情でぶち壊してほしいという思いがありました。ここでいう”3つのコンプレックス”とは、主人公の性別のコンプレックス、友人の性格のコンプレックス、そして過去にタカガメを倒すことができず、すっかり自信を失ってしまった人類のタカガメに対するコンプレックスの3つです。

画像提供:南賀なん(@LonewolfN)

――最近、どのような漫画を執筆されましたか?

つい先日、この”タカガメ”のモデルになったうちのカメが亡くなりました。その日の思いの丈を綴った漫画をTwitterに投稿しているので、よろしければそちらも目を通していただけると幸いです。

いつも羨望の眼差しで見ていた。彼女の勇気にエールを贈ることしかできない友人。GIANT TORTOISE KILLING(139/172)画像提供:南賀なん(@LonewolfN)

実は、コロナと共生する我々の世界観を漫画に落とし込んだ超大作。自我を押し通すほどの強い思いは、世界を変えるという漫画ならではのラストと迫力あるアクションシーンにも注目したい。誰しも心の中にある「立ち向かう勇気」について考えさせられる漫画だ。

取材協力:南賀なん(@LonewolfN)

この記事の画像一覧(全173枚)

キーワード

カテゴリ:
タグ:
地域名:

テーマWalker

テーマ別特集をチェック

季節特集

季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介

いちご狩り特集

いちご狩り特集

全国約500件のいちご狩りが楽しめるスポットを紹介。「予約なしOK」「今週末行ける」など検索機能も充実

ページ上部へ戻る