鈴木被告は2012年、「少女像」に「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを縛りつけた(コラージュ)=(聯合ニュース)
鈴木被告は2012年、「少女像」に「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを縛りつけた(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁で26日、旧日本軍の慰安婦被害者の名誉を毀損(きそん)した罪などに問われた日本人、鈴木信行被告の公判と、日本による植民地時代の強制徴用被害者が日本製鉄(旧新日鉄住金)を相手取った民事訴訟の口頭弁論がそれぞれ開かれる。

 鈴木被告は2012年6月、ソウルの日本大使館前に設置されている慰安婦被害者を象徴する「少女像」に「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを縛りつけ、像を撤去すべきと主張。現場で撮影した動画を自身のブログに掲載し、日本の名誉回復を訴えた。上海で日本軍首脳部に爆弾を投げつけた独立運動家の尹奉吉(ユン・ボンギル)の殉国記念碑前にもくいを打ち込み、13年2月に起訴された。15年にも被害者を侮辱する行為をして16年4月に追起訴された。

 だが同被告は、これまで18回の公判に一度も出席していない。前回昨年4月も出廷せず、裁判所は法院行政処国際審議官室を通じて日本に刑事司法協力を要請した。

 鈴木被告は今回の公判にも出廷しない可能性が高い。その場合、裁判所は期日を延期し、改めて司法協力を求めるなどの措置を取る見通しだ。

 またこの日、同じソウル中央地裁で、強制徴用被害者2人が日本製鉄に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が行われる。

 当初、日本製鉄は応じようとせず、裁判所は訴訟内容を公開することで書類が相手側に届いたと見なす公示送達の手続きを取って審理を進めようとした。すると日本製鉄側は20年11月、韓国の弁護士を訴訟代理人に立てて対応に乗り出した。

 日本製鉄の別件の訴訟で韓国大法院(最高裁)は18年10月、強制徴用被害者1人あたり1億ウォン(約960万円)の賠償を命じた。その後、徴用被害者が日本企業に損害賠償を求める訴訟が複数起こされている。


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