国会で開かれた対政府質疑で答弁する鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官(左)=19日、ソウル(聯合ニュース)
国会で開かれた対政府質疑で答弁する鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官(左)=19日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】日本政府が東京電力福島第1原発の処理済み汚染水を海洋放出する方針を決めたことについて、韓国外交部は20日、国際原子力機関(IAEA)や国連、世界保健機関(WHO)など国際機関を通じた多国間での外交の機会を積極的に活用し、日本の決定の問題点が広く議論されるよう働き掛ける方針を示した。国際社会が納得できる科学的で客観的な検証の実施を強く促していく。韓国国会外交統一委員会に提出した関連報告書で表明した。

 

 外交部は具体的に、日本の海洋放出決定を客観的に検証するIAEA専門家チームへの韓国の専門家派遣と、日本とIAEAによる相互比較調査での韓国研究機関の参加を求めていくと説明した。

 国際紛争の解決手続き付託など司法的な対応も検討するという。これは国際海洋法裁判所への提訴を念頭に置いたものとみられる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は先ごろ、こうした対応を積極的に検討するよう指示している。

 外交部は、「(海洋放出された場合は)韓国が直接的に最も大きな被害を受ける懸念がある」とし、IAEAを通じた検証とは別途に、日本側に情報提供と協議の必要性を伝える計画も示した。

 韓国以外にも被害が懸念される太平洋沿岸国に対しては、2国間の外相会談などを機に韓国の懸念を伝えるとともに関係国の関心を促す。

 外交部は「わが国民の安全と環境を守るため、政府はあらゆる外交的努力を傾ける」と強調した。


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