北朝鮮は28日、短距離ミサイルを発射した(コラージュ)=(聯合ニュース)
北朝鮮は28日、短距離ミサイルを発射した(コラージュ)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は28日、北朝鮮の短距離ミサイル発射に遺憾の意を表しながらも「挑発」とみなすことには慎重な姿勢を示している。

 背景には弾道ミサイルかどうかなどがまだ判明していないこともあるが、北朝鮮がミサイル発射を「挑発」だとして罵倒しないよう求めたことを考慮した可能性がある。

 ただ、高まっていた南北対話再開への期待は弱まるとみられる。北朝鮮は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会演説で提案した朝鮮戦争の終戦宣言に対し条件付きながらも前向きな反応を示していた。

 北朝鮮が韓国の遺憾表明に反発する可能性もある。韓国の青瓦台(大統領府)は国家安全保障会議(NSC)常任委員会の緊急会議後に発表した資料で、北朝鮮の飛翔体を「短距離ミサイル」とし、朝鮮半島の情勢安定が非常に重要な時期に発射が行われたとして「遺憾の意」を表明した。ただ北朝鮮の15日の短距離弾道ミサイル発射について「ミサイル発射挑発に深い憂慮を表明する」との立場を示したことに比べるとトーンを弱めている。

 韓国と米国の軍当局は北朝鮮が発射したサイルの飛行距離や高度などが従来のものとは異なることから分析を進めている。一部では極超音速巡航ミサイル開発の前段階である滑空体の実験との見解を示すなど、新型ミサイルの可能性もある。

 北朝鮮は今年1月に行った朝鮮労働党の党大会で、国防工業発展の戦略目標として核兵器の小型化と戦術兵器化の促進、超大型核弾頭の生産とともに「極超音速滑空飛行戦闘部(極超音速ミサイル)開発導入」に言及していた。

 今後の朝鮮半島情勢は北朝鮮の反応にかかっているとみられる。韓国が挑発とみなしていないことに注目し、本格的な関係回復へ進む可能性もあるが、遺憾を表明したことに反発する可能性もある。


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