7月19日、30年万博を韓国南部・釜山に誘致するための広報大使に就任したBTS=(聯合ニュース)
7月19日、30年万博を韓国南部・釜山に誘致するための広報大使に就任したBTS=(聯合ニュース)
【ソウル連合ニュース】韓国の人気グループ、BTS(防弾少年団)の兵役問題を巡り、担当官庁の国防部や兵務庁が頭を悩ませている。 国防部や兵務庁の関係者が10日までに明らかにしたところによると、BTS最年長メンバーのJIN(ジン)は1992年生まれで、兵役法により文化体育観光部長官の推薦を受けて満30歳まで軍入隊が先送りされたが、今年末に期限を迎え、2024年1月以降は入隊の対象になる。 BTSメンバーの兵役を巡っては、一部の与党関係者が特例の対象にすることを強く求めているものの、国防部や兵務庁は公平性や公正性を考慮して慎重な態度を示している。 国会国防委員会で一部の議員はBTSの兵役特例に関し国民の意見を問う世論調査の実施も提案した。ただ国防部は世論調査を実施したとしても、その結果だけでBTSの兵役問題に関する意思決定はしないとの立場を表明した。 現行の兵役法では、クラシックなど伝統音楽分野のアーティストやスポーツ選手については、規定された成績を収めた場合、事実上の兵役免除措置が認められるが、大衆芸能のアーティストについては客観的な基準が足りないなどの理由で、この措置の対象に含まれていない。 国防部と兵務庁はBTSに特例を与えることに否定的だ。李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は8月29日に開かれた国会国防委員会の会議で同問題に絡み、「兵役特例の対象者を減らしている中、兵役義務の履行に対する公正性と公平性の価値がますます重要になる点を考慮せざるを得ない」と述べた。 また李基植(イ・ギシク)兵務庁長は6月、記者団に対し「(兵役は)BTSだけでなく若い男性にとって共通したもの」とし「公正というテーマは兵役義務において不変ではないか(と考える)」との立場を明らかにした。 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足後、当初軍当局はこの問題に慎重な態度を示していたが、7月に入り、BTSが2030年の国際博覧会(万博)を南部・釜山に誘致するための広報大使に就任したころから微妙な変化が生じ、世論調査の実施に関する立場についても訂正と釈明が繰り返されるなど混乱を招いた。 BTSに特例を与えようとする動きは与野党を問わずあり、世論調査の結果でも特例の付与を認める側が優勢だ。一例として、インターネットメディアのメディアトリビューンは今月8日、同社が世論調査会社に依頼し全国の18歳以上の男女2000人を対象に行った調査の結果によると、回答者の67.5%がBTSの代替服務に同意すると回答したと報じた。 ただ兵役の対象である満18~29歳は56.4%で相対的に同意する割合が低く、年齢が上がるにつれ、高くなる傾向が見られた。 国防部が慎重な態度を示しているのは、兵役の義務を履行しなければならない20代の心理を無視できないためとみられる。 軍の消息筋は「人気が高く、万博の誘致活動に寄与するからといって兵役特例を与えようという論理は、法と原則、公正性に照らして妥当ではないというのが軍内の雰囲気」と伝えた。また「主務官庁の国防部は世論調査をせず、ほかの公的機関が世論調査をしても、それによって意思決定はしない」と述べた。
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