北朝鮮「荒唐無稽な詭弁」　米戦略原潜の韓国寄港「合法」判断に

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は1日、韓米首脳の「ワシントン宣言」に盛り込まれた米国の戦略原子力潜水艦の韓国寄港は法的に問題ないとする韓国当局の判断に対し、「荒唐無稽な詭弁（きべん）」だと反発した。

　北朝鮮の朝鮮中央通信は同日報じた国際安全保障問題評論家チェ・ジュヒョン氏の論評で、米国が韓国の国防当局者を使い「米戦略原潜の朝鮮半島展開は（韓国と北朝鮮による）『朝鮮半島の非核化に関する共同宣言』に違反せず、法的に何の問題もないという奇怪なご託を並べた」と米国を批判した。

　米国が「核対決の妄動を『適法性』という美辞麗句で塗り固めた」とし、その背景には「より膨大な戦略資産を公然と（朝鮮半島に）引き入れるための『合法的名分』をつくる目的がある」と主張した。「米国の核戦略資産の展開が朝鮮半島の緊張を激化させる悪性因子だ」とも批判した。

　朝鮮半島情勢の緊迫化は北朝鮮の核・ミサイル開発や挑発によるものではなく、これに対抗した米戦略資産の朝鮮半島展開によるものだと責任を転嫁した格好だ。

　戦略原潜は核弾頭を搭載した弾道ミサイルを発射できる。韓国の尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領と米国のバイデン大統領が先月26日（米東部時間）の首脳会談後に発表した「ワシントン宣言」には「今後予定された米戦略原潜の韓国寄港」という文言があり、戦略原潜の韓国派遣計画が明らかになった。

　米戦略原潜が核弾頭を載せた弾道ミサイルを搭載した状態で朝鮮半島に寄港すれば非核化共同宣言違反になり得るとの指摘が出たが、韓国国防部の当局者は28日、「法的な検討の結果、問題はないと判断した」と述べていた。