「どちらにしてもイバラの道」――。元自民党衆院議員の岩倉博文北海道苫小牧市長は21日の定例記者会見で、党道9区支部長としての後輩にあたる堀井学衆院議員(比例北海道ブロック)を巡る混乱に言及した。

 堀井氏について、支部内の一部から「地元を回らない」など政治姿勢に不満が示され、19日の支部臨時役員会では、次期衆院選で小選挙区の公認候補となる支部長の交代を求める意見が示された。こうした動きについて岩倉市長は「(堀井氏を)推薦するのは難しいとの立場と、後継候補を見つける労力を考えれば推薦はやむなしという立場と、どちらもイバラの道」と述べた。また、「首長としては与党の地元国会議員がいるか否かでずいぶん違う。立候補して負けるのと、しないで負けるのでは(官庁や党本部の)見方は違ってくる」と選挙区に候補を擁立する重要性を訴えた。その上で現状を踏まえると「(選挙区で)勝つのは事実上難しい」とした。

 また、岩倉市長は堀井氏が前回衆院選の選挙区で落選した際、堀井氏にイメージチェンジを助言したとされる。比例復活後、堀井氏は助言を受け、ウィッグを着けて政治活動したり、ジムに通って肉体改造に取り組んだりしていた。一方で、地元回りや後援会、支部の活動がおろそかになったとして、党安倍派の裏金問題を契機に支援者から批判や不満などが噴出している。

 岩倉市長は堀井氏への助言を「事実」と認めた上で、「(堀井氏の方法ではなく)人間や政治家としての生き方が有権者に伝わるよう、選挙区や有権者への姿勢を変えるべきだという意味のイメージチェンジだと(本人に)伝えている」と明かした。(松本英仁)