京都府京丹後市立弥栄(やさか)中学校で23日、校外の教員によるオンライン授業が初めて開かれた。技術科の免許を持つ教員がおらず、免許外教科担任制度の適用を受け、数学科の教員が技術科を教えているが、この日は栃木県の私立校の教員が3年生にプログラミングを講義した。

 市は昨年度、国の遠隔教育特例校制度に申請し、校外の専門家にオンライン授業を受ける準備を進めていた。今年度、国への申請が不要となり、都道府県と各自治体の教育委員会で進める形になった。

 3年生は技術科でプログラミングを学ぶが、専門性が高いことから外部講師に授業を任せることにした。3学期まで全17時間を担当し、生徒の評価もする。初日は松本明彦教育長も参観した。

 講師は栃木県の私立中・高の技術科教諭、木村浩之さん。プログラミングの教員用資料の執筆もしているという。

 授業では黒板の前に大型モニターが設置された。授業が始まると木村さんの顔が映り、「情報を処理するための工夫を知る」という内容に入った。生徒たちの机にはタブレット端末が置かれ、木村さんからの指示や問いが表示された。生徒たちも自分の意見をタブレットに入力した。ノートは使わなかった。

 授業を受けた大橋紬さんは「画面越しとはいえ、初めての人なので緊張した。自己紹介でやわらかい人だとわかり、授業は楽しかった」と話した。

 弥栄中で3学年全ての技術科を担当している小幡裕也教諭(28)は木村さんと計4時間の打ち合わせをしてきた。「技術科は専門外。生徒には申し訳ないと思っていたので遠隔授業はありがたい。通信状況がネックだろうと思うが、大きな途切れもなかった。ほっとしている」と話した。(滝川直広)