名古屋グランパスは19日、21日のC大阪戦に向け愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで調整した。これまで全試合でメンバー入りしてきたMF倍井が出場停止。代わりにベンチ入りする選手がチャンスをつかめるかが注目される。

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 ルーキーの勢いに続く選手が現れるか。倍井は開幕戦の鹿島戦(豊田ス)で途中出場し、ドリブルからの仕掛けで可能性を見せると、その後3試合に先発出場し、スタメン定着をうかがう存在に。しかし、13日の磐田戦(ヤマハ)で一発退場となったことから、1枠空くこととなる。

 若手が多く出場した17日のルヴァン杯2回戦大宮戦(NACK)では、下部組織の同級生でもあるルーキーFW榊原が先発。得点にこそ絡まなかったが、味方を生かすプレーを見せた。

 長谷川監督は試合後「良さを出してくれた」と一定の評価。一方で、榊原本人は「結果が伴っていかないと、チャンスももらえなくなっていく」と危機感をにじませた。

 清水から加入したMF中山も躍動した選手の一人。リーグ戦は5戦183分出場にとどまっていたが、快足を生かした裏への動きやドリブルのほか、胸でのフリックなど小技も効いた。

 「前半から(味方と)目が合うことが多かった」と手応え。長谷川監督も19日の練習後、「チャンスも数多くつくってくれたし、シュートチャンスもたくさんあった。今後リーグ戦に生かしてもらえれば」と、殻を破るきっかけとして期待した。

 指揮官は一方でまた、「リーグ戦メンバーも、ベンチ入り含めて調子は良い」と語っており、1枠に入った選手にとっては数少ないチャンスとなる。首脳陣にうれしい悩みをもたらす風が吹けば、チームの勢いも本物となっていく。