病気や事故にあったとき、老後に収入が少なくなったときなど、将来に備えて貯蓄をしておくことは大切です。 しかし中には、お金に余裕がないため貯蓄がなかなか増えないと悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。   そこで今回は、みんなは年収に対してどれくらいの割合で貯蓄をしているかについて調べてみました。 上手に貯蓄する方法もご紹介しますので、参考にしてください。

みんなは年収に対して何%くらい貯蓄している?

年間で貯蓄に回せる金額は、年収によって異なります。
貯蓄する金額を決めるのではなく、年収に対して一定の割合を貯蓄に回す方法もあります。
 
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、単身世帯および二人以上世帯の年間手取り収入からの貯蓄割合は表1の通りです。
 
表1

年代 単身世帯 二人以上世帯
20代 18% 14%
30代 17% 14%
40代 14% 12%
50代 14% 12%
60代 10% 11%
70代 6% 8%
全世代合計 13% 11%

※金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯/二人以上世帯](令和5年)」を基に筆者作成
 
年代によって割合は異なりますが、全体で見ると平均的に手取り収入の11〜13%を貯蓄に回していることが分かります。
 

年収別に毎月の貯蓄額をシミュレーション

一般的に、額面給与の75〜85%が手取りとして手元に入ってくるといわれています。
これを基に、手取り収入を年収の80%と仮定し、そのうち12%を貯蓄に回した場合の金額を年収別にまとめると、表2の通りです。
 
表2

年収 手取り収入(80%) 貯蓄金額(12%)
300万円 240万円 28万8000円
400万円 320万円 38万4000円
500万円 400万円 48万円
600万円 480万円 57万6000円
700万円 560万円 67万2000円
800万円 640万円 76万8000円

※筆者作成
 
表2より、年収の約10%の貯蓄が目安であることが分かるでしょう。
 

貯蓄ができていない人も!? 上手に貯蓄する方法

貯蓄をしたいと思いながら、なかなか一定の金額を取り分けられない方もいらっしゃるでしょう。
同調査では、単身世帯の41.3%、二人以上世帯の33.8%が「貯蓄しなかった」と回答しています。
 
貯蓄ができていない場合は「手取り収入の10%を貯蓄に回す」など、あらかじめ目標を決めておくといいでしょう。
継続して貯蓄するために、現実的な目標を立てることが大切です。
 
具体的には、年齢・家族構成・ライフステージに合わせて目標を設定していきます。
20代は比較的貯蓄をしやすい年代であるため、15〜20%、可能であればそれ以上の目標を立てられます。
結婚したり子育て期に入ったりすると、貯蓄を続けることが難しくなるかもしれません。
その場合は目標設定を少し下げて、無理のない範囲で貯蓄を継続できるようにしましょう。
 
先取りで貯蓄することも、上手に貯蓄するコツといえます。
給料が振り込まれたら、設定している割合を先に取り分けて、残った分で生活費などを払います。
自動口座振替に設定しておくと、貯蓄が苦手な方でも安心です。
 

11〜13%を目標に貯蓄分を取り分けてみよう

けがや病気をしたり、老後に収入が減ったりしたときに、貯蓄がないと生活が苦しくなってしまいます。
将来に備えて、手取り収入から一定の割合を貯蓄分として取り分けておくことは大切です。
貯蓄が思うようにできていないという方は、平均値である11〜13パーセントを目標にしてみるといいかもしれません。
年収や置かれている状況はそれぞれ異なるため、年齢・家族構成・ライフステージに合わせて無理のない割合を設定するといいでしょう。
 

出典

金融広報中央委員会 知るぽると
 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年) 表番号8
 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)表番号8
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー