キャッシュレス決済が普及しつつある昨今、日常的にクレジットカードを利用している方もいらっしゃるでしょう。   経済産業省によると、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%であり、2010年と比較するとおよそ20%も増加しています。普段クレジットカードを利用している方がそのまま定年退職を迎えた場合、そのまま継続して使うことができるのか疑問をお持ちの方もいるかもしれません。   そこで今回は、定年退職後におけるクレジットカードの利用について解説します。「定年退職後もそのまま利用できるのか」「定年退職後にクレジットカードを作れるのか」などの疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。

クレジットカードの利用条件

まずは、クレジットカードの利用条件を確認してみましょう。クレジットカード会社によって、条件には多少の違いが見られるものの、一般的には以下の条件が設定されています。
 

・18歳以上
・本人もしくは配偶者(家族)に安定した継続収入がある

 
上記のほかにもカード会社によって、細かく条件が定められている場合もあります。
 
対象年齢は18歳以上と制限が設けられていますが、上限は決められていないことが多いようです。
 
一方で「安定した収入がある」との条件が定められており、世帯年収が審査に影響を与える可能性も十分に考えられます。そのため、定年退職後からクレジットカードを申し込む場合には、審査に通ることが難しくなるおそれがあるため注意が必要です。
 
定年後にクレジットカードを持ちたいのであれば、退職前に申し込みを済ませておくといいでしょう。
 

定年退職後でもクレジットカードを持つことは可能なのか?

前述した通り、各会社が定める条件を満たしていれば、定年退職後でもクレジットカードを持つことは可能といえるでしょう。対して注意すべき点は、毎月の支払いを実行できるかどうかです。
 
定年退職後は、給与収入が減る、もしくはなくなる家庭もあるでしょう。その場合には、年金や貯蓄で利用分を支払わなければなりません。
 
支払いを延滞しなければ、問題なくクレジットカードを利用し続けられる場合が多いようです。毎月家計をやりくりできるよう、退職後はクレジットカードの利用方法を見直すことが大切です。
 

定年退職後もクレジットカードを利用する際にすべきこと

定年退職したあとでも支払いが延滞しなければ、継続してクレジットカードを利用できる可能性が高いことが分かりました。
 
退職後もそのままクレジットカードを利用する場合には、登録情報の変更手続きを済ませましょう。定年退職した場合には、勤務先や収入元などの登録情報を速やかに変更しなければなりません。
 
家族が定年退職を迎える場合には、登録情報の変更手続きをするよう声をかけてあげましょう。カード会社によって手続き方法は異なりますので、自分が所有しているカードの変更方法を確認しておくと安心です。
 
また最近では、クレジットカードを不正に利用される被害が増えています。このような被害を防ぐには、クレジットカードの使い方や個人情報の管理に注意が必要です。高齢の両親などにクレジットを渡す場合には、上記の注意点を説明しておくといいでしょう。
 
もしも定年退職後「クレジットカードの支払いが難しい」「管理に不安がある」などの状況であれば、家族カードを作成するのも方法の一つです。家族カードであれば利用状況を把握できるため、何かあったときでも迅速な対応が可能でしょう。
 

定年退職後でも条件を満たしていればクレジットカードを利用できる可能性が高い

利用条件を満たしていれば、定年退職後でもクレジットカードを利用できる可能性は高いことが分かりました。ただしこれは、毎月の利用分を延滞せず支払えることが前提です。
 
定年退職後に収入が減り、支払いや管理に不安が残る場合には、家族カードの作成を検討してみましょう。
 

出典

経済産業省 商務・サービスグループ キャッシュレス推進室 キャッシュレスの将来像に関する検討会 とりまとめ(令和5年3月)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー