「労働時間が長すぎた」「人間関係がうまくいかなかった」などの理由から、退職した経験がある方もいるでしょう。   ただ、前職で支払われていない残業代がある場合、辞めてからでも請求できるのかと考えたことがある方もいるはずです。   そこでこの記事では、仕事を辞めた後でも残業代をさかのぼって請求できるのかについて解説します。「前の職場で支払われていない残業代がある……」「残業代が支払われていないのは分かっていたけど言いにくくてそのまま辞めてしまった……」という方はぜひ参考にしてください。

残業代はさかのぼって請求できるのか?

厚生労働省によると、未払いの賃金は過去3年にさかのぼって請求可能です。
 
もちろん、これはすでに退職などで職場を離れ、異なる場所で働いている場合にも適用されると考えられています。
 
反対に、3年以上が経過してしまっている残業代に関しては、会社側に権利が消滅していることを理由に、反論されてしまう可能性もあるでしょう。そのような状態では、残業代を請求することが難しい可能性があるかもしれません。
 

残業代を請求する方法は?

残業代を請求するには、労働者が残業をした事実を証明する必要があるといわれています。
 
実際にどれだけ長い時間残業していたとしても、客観的に残業を行った証拠がなければ、会社が残業代を支払う可能性は低いと考えられます。残業の実態を証明するために有効と言われている証拠の例は、以下の通りです。
 

・タイムカード
・勤怠管理ソフトの記録データ
・会社の建物の入退出記録
・会社のパソコンのログイン・ログアウトの記録
・取引先とやり取りしたメールの時間
・業務で使用していたスケジュールやカレンダー
・LINEなどの業務連絡の記録
・タクシーなどの領収証

 
また、残業代が支払われていないことを示すため、給与明細を準備するケースもあるといわれています。証拠となる書類・データを集め、どれくらい支払われていない残業代があるのかを計算し、内容証明郵便で会社に送るというのが一般的な流れのようです。
 
もし、自分で証拠を集めるのが難しい、どのように計算すればよいのか分らないという場合は、弁護士などの専門家に相談・依頼するのも手段の1つでしょう。
 

未払い賃金は過去3年分請求できる

現在、未払いの賃金については過去3年にさかのぼって請求可能です。そのため、支払われていない残業代があるのであれば、今からでも請求するのがよいでしょう。
 
しかし、残業代を請求するためには、残業の実態を示す証拠が必要です。すでに準備している方は問題ありませんが、手元にない方は、まず残業した証拠を集めることから始めましょう。
 

出典

厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 事業主の皆さま、労働者の皆さま未払賃金が請求できる期間などが延長されています
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー