〈発売中の『婦人公論』5月号から記事を先出し!〉 宝塚歌劇の金字塔とも言える『ベルサイユのばら』は初演からちょうど50年。日本中の老若男女を熱狂させ、社会現象を巻き起こした同作は、現在に至るまで繰り返し上演されている。その黎明期に一大ブームを生み出した「ベルばら四天王」のうちの二人、榛名由梨さんと安奈淳さんが〈あの日々〉を振り返った(構成=上田恵子)

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『ベルサイユのばら』初演当時の熱狂

榛名 『ベルサイユのばら(以下、ベルばら)』が、宝塚歌劇で初めて上演されたのは1974年のこと。当時のことは今でも鮮明に覚えています。私は20代の終わりで、オスカルを演じました。あれからもう、50年もたつのねえ。

安奈 本当に、あっという間ですね。

榛名 初演時の演出を担当なさったのは、俳優の長谷川一夫先生。脚本は宝塚歌劇団の植田紳爾先生が書いてくださいました。

最初の頃は池田理代子先生の原作漫画のファンの方からの反発が強くて、上演を疑問視する声もありました。漫画の登場人物を、生身の人間が演じることに抵抗を感じる方が多かったのね。抗議の投書も歌劇団に届いていたそうです。

私はオスカル役だったばっかりに、怖いこと書かれたお手紙もらったわ。(笑)