フェラーリは、F1第6戦マイアミGPでアメリカでの伝統を現代風にアレンジしたワンオフカラーリングを採用することを発表した。

 この変更は、アメリカ市場におけるフェラーリの70周年を記念し、アメリカのモータースポーツシーンにおけるフェラーリの歴史的地位を称えるために行なわれる。それため、かつて使用されたアズーロ・ラ・プラタとアズーロ・ディノと呼ばれるふたつのカラーリングがリメイクされるようだ。

 1964年にアメリカ進出したフェラーリは、FIAホモロゲーションを巡るいざこざで創設者エンツォ・フェラーリが抗議したこともあり、その年のF1シーズンのラスト2戦では伝統のロッソ・コルサ(レーシングレッド)を使用せず。ノース・アメリカン・レーシング・チーム(NART)名義でホワイトとブルーをあしらった特別カラーリングを使用した。

 アズーロ・ラ・プラタは薄いブルーの色合いで、アルゼンチンのナショナル・レーシング・カラーである。また、2度のチャンピオンに輝いたアルベルト・アスカリが着用していた色にも似ており、アスカリはしばしばこの色のジャージとおそろいのヘルメットを着用していた。

 1960年代にはジョン・サーティースやクリス・アモンがブルーのオーバーオールを着用し、ニキ・ラウダもフェラーリでのデビューシーズンにブルーのオーバーオールを着用している。

 アズーロ・ディノはより濃い色合い。1974年に最後に使用され、象徴的な赤がレーシングスーツの標準となる前にクレイ・レガツォーニが着用していたカラーとしても知られる。

 マイアミGPの特別カラーリングの詳細は、まだ発表されておらず、フロリダで直接公開されることになるだろう。

 4月28日からのマイアミGPでは、フェラーリの様々なイベントが予定されており、サーキットではブルーの296GTSがフェラーリのパレードを先導する予定となっている。

 なお昨年、フェラーリはイタリアGPでイエローを基調とした特別カラーを施し、その年のル・マン24時間レースを制した499Pに敬意を表した。また2020年にムジェロで開催されたトスカーナGPでは、フェラーリのF1参戦1000レース目を記念してワインレッドのカラーリングを施した。