ベテラン右腕がギアを本調子に入れるには、もう少々時間がかかりそうだ。

タイガースの前田健太は現地4月6日(日本時間7日)、本拠地コメリカパークでのアスレチックス戦に今季初白星を期して先発登板すると、5回2/3で2安打3失点と、クオリティスタートまであと一死の粘投を見せる。

しかし、2奪三振4四球と珍しく制球に苦しむなかで打線の援護もなく、今季初黒星を喫した。試合は0-4でタイガースが完封負けを喫し、デトロイトでのシリーズは1勝1敗の五分で第3戦を迎えることとなった。

『MLB.com』は試合後、「四球と大きなワンスイングがマエダのソリッドな先発を台無しにする」と題した記事を掲載し、その冒頭で右腕が御守りの代わりに『仮面ライダーのフィギュア』をロッカーに置いているエピソードを紹介。

そして、「土曜の午後にマエダはコマンドと格闘するなかで、5回2/3を投げて3失点としたが、アスレチックスに4-0で敗れた試合で彼を沈めるには、ブレント・ルッカーの2ラン弾で十分だった」と簡単に試合を振り返った。

続けて「いつもはストライクゾーンでのコマンドを強みとしているマエダにとって、今回は奇妙な登板だった。ただし、タイガースが昨秋に2年2400万ドル(約36億円)で契約したマエダに何を期待すべきか模索しているなかで、それは相応しい難問と言えた」と伝えた。

さらに記事では、「ここ2試合の登板で、マエダは9回を投げて4本塁打を許している」と、被本塁打の多さに触れつつ、「ただし、打球初速が時速107.3マイル(172.7キロ)だった、ルッカーの放った一発は、マエダが許したインプレーで速度が100マイル(160.9キロ)以上だったわずか3本の1つ」であり、「ルッカーのホーマー以外で外野へ飛んだ打球は、センターへのフライアウト3つのみだった」とした。

その上で、「彼の負ったダメージの幾らかは自滅によるものであり、この試合で4四球を出した彼が昨季開幕以降、22試合の先発登板で2四球以上出したのは、わずか2度目のこと」とした。

そして、「初球ストライクはかなり良い数字をマークするも、彼は最初に対戦した15人の打者のうち7人に対してカウント3ボールまで達し、試合を通した数は打者22人のうち9人だった」と伝えた。

記事によると試合後、A.J.ヒンチ監督はこの日の右腕について、「打席が長引くほど、彼は少しトラブルに陥っていた。知っての通り、向こうは柵越えで序盤にリードを築いたが、その後、彼はかなり落ち着いたと思った。速球は若干良くなったね」。

「ストライクへの投球は、本来の姿と比べると、まだ少し一貫性を欠いていた。4月は彼にとって最高の月ではないから」と述べたとのこと。

次の登板はホームでのツインズ戦となるが、古巣との対戦を前に、持ち前の制球力の高さを取り戻したいところだ。