球団24年ぶり4度目、開幕から3カード連続勝ち越し。開幕8試合で6勝は球団タイ記録と、開幕ダッシュに成功した今季のベイスターズ。阪神、巨人相手に敵地でいずれも2勝1敗だった先週の6試合で目立ったトピックスを挙げていきましょう。

◆ジャクソン、来日初登板、初先発、初勝利

昨季日本一の阪神との今季初対戦となった2日に先発マウンドを任されたのが新外国人のジャクソン。初回から4点の援護をもらった立ち上がりに、いきなり先頭の近本光司に三塁打、2番の中野拓夢にタイムリーで1失点したが、盗塁死と森下翔太から来日初の奪三振などでピンチをしのぐと、その後は6回まで打たれた安打は2本のみ。6回被安打4、3四球、5奪三振、1失点の好投で勝利投手となった。

最速158キロの速球に、ナックルカーブやスライダーなどの変化球の制球も抜群の右腕は、ヒーローインタビューでは「スーパーエキサイティング。サイコー、ベイスターズ」と喜びを爆発させた。今永昇太、バウアーの抜けた先発ローテの一角に期待できそうだ。

◆松尾汐恩プロ初安打、プロ初スタメンマスク

同じく2日の阪神戦、2点リードの9回にウェンデルケンの代打で登場した松尾汐恩が左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、プロ初安打を記録した。同学年の門別啓人が投じたツーシームを振り抜くと、打球はあと少しで本塁打という大きな当たり。

3月31日のプロ初打席は一邪飛に倒れていたが、地元である関西でのプロ初安打に「まずは1つ恩を返せた」と笑顔を見せた。4日の阪神戦では7番・捕手でプロ初スタメンマスクとなり、今季から移籍した中川颯らをリード。第1打席で安打を放ち、第2打席は空振り三振、第3打席は死球で2打数1安打に終わった。

◆オースティン、2年ぶり本塁打

3日の阪神戦でオースティンが、自身2シーズンぶりとなる今季1号本塁打を放った。今季は2番・一塁で固定されているオースティンだが、初回に阪神先発・伊藤将司から京セラドームの左翼席中段に運ぶ1号ソロ。公式戦では2022年8月30日の中日戦以来となる本塁打となった。

来日1年目から65試合で20本塁打、翌2021年は28本塁打をマークして主軸として期待されながら、右肘手術など度重なる故障で、昨季は自己ワーストの9試合出場に終わっていた。今季はここまで打率2割台前半と、本来の実力は発揮できていないが、広島との開幕戦で3安打猛打賞を記録するなど、開幕カード3試合全てで安打を放った得意のハマスタでの豪打復活が期待できそうだ。

◆今年も大当たり!関根大気、3試合連続猛打賞&決勝タイムリー

昨季はプロ10年目で自身初の規定打席到達。140試合に出場して、打撃成績のあらゆる部門でキャリアハイをマークした関根大気。今季は開幕スタメンこそ外れたが、6番・センターで今季初の先発出場となった4月2日に3安打を記録すると、ここから3試合連続3安打猛打賞と大暴れ。

石井琢朗現チーフ打撃兼走塁コーチが、2006年に記録した4試合連続猛打賞がかかった4日の巨人戦は1安打のみだったが、1-1と白熱した投手戦の7回に放った値千金の勝ち越しタイムリーだった。6日と7日は無安打に終わったが、7日の試合ではセンターの守備で左中間への飛球にダイビングキャッチを決めるなど、存在感を示した。ドラ1・度会隆輝や梶原昂希など、若手の台頭が著しい外野陣で、遅咲きの28歳が躍動する。

◆今週の度会(4月2〜7日)

開幕カードの活躍により、打率.385でスタートした阪神との3連戦。2日の初戦は昨季のセ・リーグMVPの村上頌樹を相手に第1打席は四球、第2打席ではセカンドへの内野安打で出塁。村上は3回で降板したが、第3打席も四球を選んでこの日は3打数1安打(3出塁)1三振に終わった。

3日と4日は阪神投手陣の前に全て凡退の9打席無安打。3日にはプロ初の併殺打も記録した。カードが変わって5日の巨人戦では、エース・戸郷翔征から初回の第1打席でいきなりセンターへ安打、6回には同点打となるライトへのタイムリーを放った。6日は5打席凡退だったが、敵失で出塁した5回に得点を記録。6日は巨人先発・高橋礼から第3打席で安打を放って4打数1安打に終わり、打率.237でこの週を終えた。

文:大久保泰伸