さながら〝筒香塾〟の開講だ。横須賀市の2軍施設「DOCK」で21日、打撃練習や外野ノックで汗を流した横浜DeNAの筒香は練習を共にした育成選手に身ぶり手ぶりで指導する場面があった。「練習での一球の大切さを伝えたかった」と元主将の入団の影響は若手にも波及している。

 室内練習場での一コマ。大村2軍育成打撃コーチから「全体練習前のルーティンを見せてくれないか」と頼まれた筒香が、小笠原や近藤らルーキーに意図を説明しながらティースタンドに乗せたボールを打つ「置きティー」などを実演。筒香自ら質問も募り、起床時のコンディションの確認方法といったプレー以外の話にも及んだ。この日は約1時間の〝講義〟となり、変わらぬ面倒見の良さをうかがわせた。

 幼少期から筒香に憧れ、背番号125をつける小笠原は「そこまで突き詰めないと筒香さんのようにはなれないんだな」と目からうろこ状態。現役時代にチームメートだった藤田2軍育成野手コーチは「整理しながら分かりやすく話していた。若い選手の刺激になった」と頼もしくなった後輩に目を細めていた。

 20日のイースタン・リーグ巨人戦(横須賀)で復帰後初の実戦を踏み、次回は23日の同日本ハム戦(鎌ケ谷)で出場予定。「日本人投手と対戦したい。鎌ケ谷3連戦は必ず行くと僕の中では思っている」。1軍昇格に向け自身の調整を進めながら、チーム全体を見渡す懐の深さを見せている。