小林製薬の「紅こうじ原料」を含むサプリメントで健康被害が相次いでいる問題で、これまでにサプリ摂取後、5人が死亡し、188人が入院したことが分かっています。番組では1年前からサプリを摂取していたという女性を取材し、体調の変化や現在の心境について話を聞きました。

茨城県に住む近藤さん(仮名)53歳。近藤さんは1年ほど前から小林製薬のサプリ、「紅麹コレステヘルプ」を飲み続けていました。

(木村カレン キャスター)「このサプリはどういうきっかけで飲むようになった?」

(近藤さん(仮名・53歳))「きっかけは、まず会社の健康診断でコレステロール値が高かったこと。たまたま見ていたSNSにこの広告が流れてきて、気になるし飲んでみようと思って、クリックしたのがきっかけですね」

「悪玉コレステロールを下げる」という表示をきっかけに、定期購入を決めたという近藤さん。それから毎日、サプリを飲み続けて2カ月が過ぎたころ、身体に異変を感じます。

(近藤さん(仮名・53歳))「かなりむくんだんですよ。足がすごくむくんで、本当に感覚が無くなるむくみというのを初めて経験して」

現在まで分かっているサプリによる健康被害は、腎臓に障害が出るもので、むくみはその代表的な症状の一つです。近藤さんは足用の枕を購入するなどして対応しましたが、症状は続き、3カ月ほど激しい痛みを感じながら過ごしたと言います。

(木村カレン キャスター)「その時はサプリが直接的な原因だな とは思わなかった?」

(近藤さん(仮名・53歳))「思わなかったですね。自分が疲れてるのかなとか、体調が悪いのかなぐらいですね」

当時は、サプリが原因とは夢にも思わなかったという近藤さん。一方で、コレステロール値を下げるという、サプリ本来の効果が実感できなかったこともあり、徐々にサプリの摂取が減っていくと、むくみの症状は消えていったといいます。

そして先月、小林製薬の紅こうじサプリによる健康被害の問題が公となります。これまでにサプリを摂取後に亡くなった人が5人判明しています。

(木村カレン キャスター)「その時の率直なお気持ちは?」

(近藤さん(仮名・53歳))「びっくりです。びっくりして…大きな製薬会社さんですので、安心しきっていたので、ちょっと裏切られた感は大きい。それが自分だったかもしれないと思うとかなりショックですよね」

現在は身体の不調は無いという近藤さんですが、日々の報道を見る中でやりきれない思いを抱えていました。

(近藤さん(仮名・53歳))「少なくともこの先、この類に手を出すことは多分無いと思う。問題が大きくなればなるほど自己嫌悪になっちゃう。失敗だな、本当に」

近藤さんは今後、残ったサプリは企業に返品し、近いうちに病院で検査を受けて、問題があれば企業側に対応をお願いしたいと話しています。