祖父母と孫の仲睦まじい姿には誰もが思わず心を奪われてしまうため、SNSでも度々話題を集める。じいじと1歳(取材時)の孫が食卓で繰り広げる大人顔負けの会話をおさめた動画が、570万回再生を超える反響を呼んだ。一方、耳が遠い94歳の高祖母に必死に話しかける2歳玄孫(いづれも取材時)の動画が、1600万回再生を超える反響を呼んだ。そんな様子を見守る2組のお母さんに聞いたエピソードを、改めて振り返る。

◆じいじと孫の微笑ましい会話が最高「お互いにとても大事に思っているようです」

 仲良く隣同士に座りながらご飯を食べるじぃじと1歳のお孫さん。じいじが「今日は保育園どうでしたか?」と尋ねると、お孫さんが「じゅうじつ(充実)」とひと言。そのまさかの返答に、「すごい語彙力!」「絶対人間初めてじゃない笑」「1歳とは思えない」などのコメントが寄せられ、570万再生を超える反響があった。

 2人が並んで食事をしている姿が微笑ましくて思わず撮影をしたというお母さん。SNSでこんなに反響を集めるとは思ってもいなかったという。

「息子だけでなく、父にまでたくさん可愛いと言っていただきありがたいです。『日ごろからたくさんお話ししているのがわかる』『おじいちゃんが子ども扱いしていないのがいい』というコメントも嬉しかったです」

 現在、お父さんと同居はしていないものの、毎日のように実家に遊びに行っている。

「祖父母の帰りが遅くて会えない日は、『じいじに電話する!』と私の携帯を持ってきて、遊びに行ったことや保育園での出来事を話しています」

 ご両親にとっては初孫だったこともあり、息子さんが生まれたときは、「世界一可愛い!」と大喜びだったそう。

「コロナ禍で退院するまでは面会もできなかったため、動画や写真を毎日見ては心待ちにしてくれていたようです。退院してからは毎日会いに来て、本当に可愛がってくれています」

 いつも助けてくれて何でも聞いてくれるやさしいじいじは「息子にとって一番の味方!」と、お母さんは2人の関係性を解説する。

「父にとっては、いつも気にかけている大切な存在だそうです。お互いにとても大事に思っているようです」

 毎日よく喋り、いつも笑わせてくれるという息子さん。体調不良で病院に連れて行こうとした際のおもしろいエピソードもある。

「『もう咳も出てないし、今日はお薬もらうだけにしよっか。病院行かなくても大丈夫やわ。ちょっと熱はあるけどしんどくないし、どこも痛くないし…』と、病院に着くまで自分がどれだけ大丈夫かを必死でプレゼンしていて、病院に着いた瞬間に『大丈夫やのに、なんで!?』と大泣きしたのには、可哀想ですが笑ってしまいました」

 次男も生まれた。退院して帰って来た時には「お母さんおったー!今日は病院行かなかった?」と笑顔で抱きしめてくれ、弟にもとてもやさしく接してくれて、お母さんは感激したそう。

「自分が好きなお菓子をほかの人が欲しがると、自分が食べるよりも先に『どうぞ!食べていいよ』と分けてあげるところや、動物が大好きでやさしいところも、見ていて嬉しくなります。余裕がないときに叱ってしまうこともありますが、子どもたちに教えられることが本当に多く、これからの成長が楽しみで仕方ありません」

◆動画撮影を始めた母の想い「こんな素敵な高祖母がいたことを忘れないでほしい」

耳が遠い94歳の高祖母(祖父母の祖母)に対し、「いだただきます」「ばあちゃん、おいしい」と何度も必死になって伝える2歳の玄孫(孫の孫)の姿がYouTubeやInstagramで公開され、「なんて尊い時間」「どっちも可愛すぎる」「愛しかない」などのコメントが寄せられ、総再生数1600万回再生を超える反響があった。

 実はこれはよくある光景のようで、「玄孫の言葉は私でも聞き取れないことがあるので、ばあちゃんには一層難しいかもしれない」とお母さんは言う。

「YouTubeでよく『補聴器を買ってください』というコメントをいただきますが、耳の型をとってもらって、ばあちゃんの耳にしか合わない埋め込み式の補聴器を使用しています」

 まだ幼い玄孫たちに「こんな素敵な高祖母がいたことを忘れないでほしい」という想いからYouTubeを始め、動画の撮影や編集はお母さん(ひ孫/25歳)が基本的に行い、大変なときには、弟さん(ひ孫/20歳)が手伝っている。

「全国の人に『90歳を過ぎても、畑や料理をしながら自立して暮らすばあちゃんの姿を見てもらいたい』という思いもあり、ホームビデオ感覚で撮影を始めました」

 これまでは週に4〜5回会っていたが、玄孫が幼稚園に入園してからは週に1〜2回ほどになった。玄孫が生まれた時は、高祖母はとても嬉しそうな様子だったという。

「ばあちゃんは以前、地域の老人会に入っていたのですが、私が玄孫を連れてお迎えに行った際に、お友達に『私の玄孫だ』と何度も嬉しそうに話していました。2人の関係は、唯一無二の“かけがえない存在”なのかなと思います」

 高祖母はとにかく子どもにやさしい人で、ひ孫にあたるお母さんも昔から怒られた記憶が全くない。

「子どもに対しては、いつも『えらいな〜』『お利口だな〜』と褒めてくれます。子どもがやりたいと言ったことは、基本何でもやらせてくれます。私自身もそれを見習って、子どもには何でも自由にやらせる(チャレンジさせる)ように意識しています」