Yoshifumi Takemoto

[東京 29日 ロイター] - 経済産業省が29日発表した2月鉱工業生産指数速報は前月比0.1%低下となった。2カ月連続の減少。ロイターの事前予測調査では同 1.4%上昇と予想されており、これを下回った。工場稼働停止などの影響を受けて自動車が減少したほか、春節要因で半導体製造装置なども減産となった。

<能登地震、自動車部品に影響>

前月比で7業種が減産、8業種が増産だった。

自動車工業が前月比7.9%の減産。普通乗用車が7.7%減、普通トラックが17.8%減で、データ不正による工場稼働停止の影響に加え、大雪や事故による工場の停止、能登半島地震の影響を受けた部品供給に起因する減産などが響いたという。自動車生産に使われる「プラスチック、鉄鋼、非鉄生産にも影響は出ている」(経産省幹部)という。

その他に減産となった業種は半導体製造装置(同18.9%減)、船用ディーゼル機関(20.3%減)など。

一方、パルプ・紙・紙加工品は、能登地震で1月に稼働を停止していた生産拠点の再開などにより4.3%増となった。

生産予測指数は3月が前月比4.9%上昇、4月が同3.3%上昇となった。経済産業省は生産の基調判断を「一進一退ながら弱含み」として据え置いた。

経産省では、海外経済の減速や能登半島地震、自動車工場稼働停止の影響による下振れリスクに留意が必要としている。

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。

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