長年にわたり、多くのドライバーに憩いの場として親しまれてきた岡山県瀬戸内市にある「おさふねサービスエリア」です。

施設は全面リニューアルを行うため、このGWを最後に一時営業を休止します。60年に渡る営業期間の中、多くの人間ドラマがありました。

岡山ではお馴染み 国道2号沿いの「とんがり屋根」

赤い3つの三角屋根がトレードマーク。遠くからでも目を引くデザイン。

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長年、トラックドライバーや地元の人たちに親しまれてきました。

(トラックドライバー)
「ドライバーさんだったら皆『とんがり帽子、とんがり帽子』って。『吉井川のとんがり帽子におるで』って」

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全国で2番目に出来たドライブイン 1964年に誕生

(客)
「現役の50歳ぐらいの時からきよる(来ている)もん。温泉がええんじゃ」

瀬戸内市長船町の国道2号沿いにある「おさふねサービスエリア」です。ドライバーに「食事」や「休憩」といった「憩いの場」を提供するいわゆる「ドライブイン」として、今から60年前の1964年に開業。同様の施設としては全国で2番目となるオープンでした。

創業した年には東京五輪が開催され日本は高度経済成長期を迎えた時代。自家用車を持つ人が増える「モータリゼーション」が本格化するとともに施設の利用客も増えていきました。

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開業から5年後の1969年に、新幹線が建てたばかりの赤い三角屋根の建物の敷地内を通ることになりました。そこで、約30メートル離れた現在の場所に建物を移す「家曳(やひき)工事」を行い、翌年に営業を再開しました。

時代とともに、施設には食堂や宴会場のほかに温泉などが設けられました。さらには、新幹線を間近に見ながら鉄道模型を楽しめるNゲージルームも。

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(子どもは)
「かっこいいです、電車好きなので」
「実際の(新幹線)も見られますし、おもちゃも見られて一石二鳥で」

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「彼氏と来た、いまの旦那ちゃう」60年の歴史に刻まれた想い出

子どもから大人まで楽しめる安らぎの場として親しまれてきました。

(団体客)
「これじゃったらみんなすきなもの取ればええんじゃねえ。これも安いが、天ざるそば」

60年の長きに渡り営業してきたこの施設。中には若い頃、デートでこの店を利用したという人も。

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(利用客)
「彼氏とか。母親とも来ましたね。閑谷学校とか、そのデート帰りじゃな。ごはん食べて帰ろうかそんな感じで。思い出やな。めちゃ思い出や。今の主人ちゃうよ」
(娘)
「いらん情報」

そして迫る、取り壊しのとき

多くの人の思い出が詰まった、三角屋根のこの建物がこのGWで営業を一旦休止し、取り壊されるというのです。

ー(記者)このGWで、いったん閉まるらしいです
(トラックドライバー)
「えっ。そうなん。いろいろ困るやん。そうなんや。初めて知った」

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(おさふねサービスエリア 松岡昌範店長)
「新たに建て直しをして、地域の皆様に親しまれるお店づくりをしていきたいと思っております」

休止を前に、おさふねサービスエリアでは今

5月6日を最後に、全館建て替えの工事を行うため「おさふねサービスエリア」は約2年間の予定で営業を一時休止します。

休止を前に食堂では、1980年代のメニューを特別に企画しています。創業当時から引き継がれるレシピで作られたビーフカレーです。

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また、60年の歴史を振り返るパネル展示のコーナー。かつて父親と訪れ、この施設が無くなることを知り、訪れたという人もいました。

(利用客)
「施設が無くなるというのは、寂しいなと思って。どうしても来たくて。そこの窓から新幹線が見えるので。あちらの席から新幹線を見せてもらったので。いい思い出に。これ(スマートフォン)に残っています」

営業休止まであとわずかとなった「おさふねサービスエリア」です。施設が生まれ変わることに期待の声も。

(利用客)
「新しくきれいになればね。次に来た時に気持ちがいいじゃない」

施設を運営する岡山プラザホテルによりますと、2026年の営業再開を目指し、赤い三角屋根のデザインを活かした新しい施設に生まれ変わらせるということです。

(おさふねサービスエリア 松岡昌範店長)
「あとわずかな営業期間になりますけど、最後皆様にお食事や温泉を楽しいんでいただいて、閉店までの間、営業していきたいと思います」

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長年多くの人の心と体を癒してきた赤いとんがり屋根が間もなく、一時の休業期間に入ります。このGWに訪れてみてはいかがでしょうか?

【メモ】Nゲージルームが以前は有料でしたが、今は無料解放されています。