境内に運び込まれ、おはらいを受けるアームストロング砲。左手前が吉村正会長=佐賀市の佐嘉神社

 佐賀市の佐嘉神社に設置されているアームストロング砲がリニューアルされ2日、奉納された。県機械金属工業会連合会(現・県工業連合会)が復元を手がけてから35年がたち、修繕を行った。佐賀藩が積極的に取り入れ、戊辰戦争でも威力を発揮した往時の姿をほうふつとさせる重厚な輝きを取り戻した。

 同神社のアームストロング砲は砲身1・85メートル、車輪の直径1・3メートル、重さ約800キロ。雨水などの影響で付着したさびや汚れを取って塗装を重ね、車輪などを修理した。鍋島家15代当主の鍋島直晶さんから依頼を受けた同連合会が、9年後の神社創建100周年に向けて取り組んだ。

 大砲はクレーンなどを使って慎重に運び込み、関係者が神事を行った後、境内北側にある回廊の一角に設置した。同連合会の吉村正会長(75)は「今年はSAGA2024などで県内外から多くの人が訪れるので、きれいな姿を見物してもらいたい」と話した。

 宮司の佐野安正さん(57)は「多くの人に佐賀の遺産の一つを知ってもらいたい。アームストロング砲の修繕によって、創建100年に向けて勢いがつきそう」と喜んだ。(坂本有佐)