長崎街道のグルメ探訪と史跡巡りを楽しんでもらおうと、北九州市の八幡西区役所はガイドマップ「筑前六宿満腹案内 黒崎宿〜木屋瀬宿『長崎街道を”食べ“歩く』」を作りました。マップを手に、おいしい散策に出かけてみませんか。

■長崎街道とは

 長崎の出島(長崎市)から小倉の紫川に架かる常盤橋(北九州市小倉北区)まで224キロを結んだ街道で、25の宿場があった。うち福岡藩内6か所の宿場(黒崎、木屋瀬、飯塚、内野、山家、原田)は「筑前六宿」と呼ばれ、にぎわった。

69の飲食店を紹介

 ガイドマップ製作は、4月に区制50周年を迎えた記念事業の一環で企画。八幡西区には、江戸時代に長崎街道の宿場として栄えた「黒崎宿」と「木屋瀬宿」があり、地域の歴史や魅力を多くの人に知ってもらうため、二つの宿場を結ぶ14キロの街道沿いに点在する69の飲食店を紹介しています。

 テーマは「長崎街道を食べ歩いて楽しむこと」。街道から歩いておおむね5分圏内にあり、日中に気軽に立ち寄れる店を掲載しました。夜だけの営業や、事前の予約が必要な店は除いたそうです。

 マップの表面は、飲食店が集まるJR黒崎駅周辺を取り上げ、自慢のメニューや外観の写真に一言コメントを添えて38店舗の情報をまとめました。「鉄なべぎょうざ」発祥の店とされる「本店鉄なべ黒崎店」、唐揚げや万能調味料「黒瀬のスパイス」で知られる鶏肉専門店「かしわ屋くろせ」といった人気店も登場しています。

若者も意識して…

 裏面は、黒崎宿から木屋瀬宿までのルートがわかる地図を大きく配置。弁当やお好み焼き、町中華など地元でなじみの31店を取り上げています。若い世代にも目を向けてもらおうと、ふわふわのパンケーキが味わえるカフェ、隠れ家的な店などを盛り込みました。

 掲載した店舗は、「麺類・お好み焼き」「中華」「カフェ」「洋食・カレー」「和食」「テイクアウト」の六つに色分けし、それぞれのジャンルが一目で分かるように工夫しました。マップは2000部を作製し、北九州市役所や八幡西区役所のほか、黒崎駅周辺のホテルなどで配布しています。

 八幡西区役所総務企画課の担当者は「食を通して若い人にも長崎街道に興味を持ってもらえたら」と話します。同区は史跡の解説を中心に構成したガイドマップ『長崎街道を歩く』も出しており、今回の『長崎街道を”食べ“歩く』を一緒に持って出かけると、まち歩きがより楽しめそうです。