◇ナ・リーグ パドレス4―0ドジャース(2024年5月12日 サンディエゴ)

 パドレスのダルビッシュ有投手(37)が12日(日本時間13日)、本拠でドジャース戦に先発。この日は「母の日」とあり、母の日仕様のピンク色のグラブ、靴紐でマウンドに上がった。5回2死まで続けていた完全投球は途切れたが、今季最長タイ7回、同最多101球を投げ、2安打無失点、7奪三振で今季3勝目となる日米通算199勝(日本ハム93勝、メジャー106勝)を挙げ、節目の勝利に王手をかけた。パドレスがドジャースを零封するのは2018年以来、6年ぶり。一方のドジャースは今季2度目の零敗でパドレスに1勝2敗と負け越し、6カードぶりのカード負け越しとなった。

 米記録専門会社エライアスによると、ディラン・シース、マイケル・キング、マット・ウォルドロン、ダルビッシュの4人の先発投手が4試合連続で5回以上投げて被安打2以下を記録。これは1893年以降で史上初の大記録となった。この間、パドレスは3勝1敗。マイク・シルト監督は「一貫した勝利の方程式は先発を得ることだ」と満足げに語った。

 また、ダルビッシュは4月14日のドジャース戦の途中から続く連続イニング無失点は18まで伸ばした。これでレンジャーズに所属した2013年の自己最長の連続イニング無失点記録に並んだ。

 完全試合の期待すら抱かせる快投だった。勝利投手の権利、そして完全試合が懸かった3―0の5回は先頭のT・ヘルナンデスにフルカウントまで持ち込まれてこの試合初めて3ボールとなったが、最後は94.5マイル(約152.0キロ)速球で空振り三振。2死後にパヘスにフルカウントから四球を与えてこの試合初めて走者を背負うと、E・ヘルナンデスには初安打となる右前打を許して2死一、二塁のピンチを迎えた。それでも8番ロハスを中飛に打ち取り、5回を無失点で切り抜けた。

 6回は1死からベッツにこの試合初長打となる二塁打を許して得点圏に走者を背負ったが、フリーマンを中飛、スミスを空振り三振に打ち取り、最後は派手なガッツポーズを見せた。7回は2つの三振を奪って3者凡退。これで4月14日のドジャース戦の途中から続く連続イニング無失点は18まで伸ばした右腕に本拠ファンは「YUー!」とブーイングならぬユーイングを送って総立ちで称えた。

 日米通じて初対決となった3月20日の開幕戦(韓国・ソウル)から今季ここまで2度の対戦で5打数1安打2三振だった大谷翔平とは今季3度目の対戦が予定されていたが、大谷が腰の張りを訴えたため欠場。注目の対決はお預けとなった。

 大谷は先発メンバーから外れたが、初回を無失点に抑え、初回は17先発登板連続で初回を無失点で切り抜けた。打線はその裏の攻撃で2番タティス、3番クロネンワースが2者連続本塁打を放って2点を先制。タティスはこれが通算114本塁打で、カージナルスなどでプレーしたタティス・シニアの通算113本塁打を上回った。