世界気象機関(WMO)の報告によると、今年2023年7月、1か月の世界の平均気温は、記録が残る1940年以降、最も高くなる可能性が非常に高いとのことです。

世界の平均気温 2023年7月は記録上最高に

世界気象機関(WMO)の報告によると、今年2023年7月、1か月の世界の平均気温は、記録が残る1940年以降、最も高くなる可能性が非常に高いとのことです。
世界の平均気温は、これまで最も高い記録は、2019年7月の16.63℃でした。
2023年7月は、23日までの暫定値で16.95℃になり、これまでの記録が破られることが確実になってきました。

海面水温 異常に高い状態が続く

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海面水温が異常に高い状態が、長い期間続いています。
今年2023年4月以降の世界の海面水温の平均値は、1979年以降その時期のデータで前例がないほど高い状態が続いています。

春から発生しているエルニーニョ現象などの影響で、海面水温は、太平洋赤道域で、平年より高くなっています。さらに、北大西洋でも平年より高くなっています。
北大西洋の海面水温は、5月末から急に高くなりました。北大西洋の6月の海面水温の平均値は平年を0.91℃上回り、記録が残る1979年以降、最も高くなりました。

大気の循環は海洋に影響を与える可能性がありますが、その逆もあり、例えば、今回の北大西洋の海洋熱波は、気団を暖めるなど、大気の循環パターンに影響を与えている可能性も指摘されています。

参照:WMOホームページ
https://public.wmo.int/en/media/press-release/july-2023-set-be-hottest-month-record
Copernicusホームページ
https://climate.copernicus.eu/july-2023-sees-multiple-global-temperature-records-broken

中国・南ヨーロッパ・北アメリカなど 最高気温40℃超

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7月、最高気温は、中国の北京で6日と7日に41.0℃、スペインのマドリード・バラハスで17日に40.6℃、18日に40.7℃、アメリカのアリゾナ州フェニックスで19日と20日、25日に48.3℃など、40℃超えを観測しました。地球全体が高温であったことに加えて、北半球では偏西風が蛇行した時期があったためです。

例えば、上の図は、7月16日から20日、5日間の上空5500メートル付近の大気の流れです。
偏西風の蛇行により、高度が平年より高いオレンジ色のエリアと、高度が平年より低い青色のエリアが交互に並んでいます。偏西風の北側は冷たい空気、南側は暖かい空気に覆われますが、偏西風が蛇行すると、変化は非常にゆっくりです。
南ヨーロッパや北アメリカは、オレンジのエリアで、偏西風は北へ蛇行し、暖かい空気に覆われていたことがわかります。

地球温暖化やエルニーニョ現象の影響で高温傾向続く

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地球温暖化やエルニーニョ現象などの影響で、秋にかけても、地球全体で気温が高い状態が続く見込みです。特に、熱帯や亜熱帯域で顕著に高いでしょう。日本では九州から関東が、亜熱帯域にあたる地域です。

上の図は、8月から10月にかけて、北半球の上空1500メートル付近の気温の予想です。全体的に平年より高いオレンジのエリアになっています。

日本でも、最高気温が35℃を超える危険な暑さはまだ続き、残暑も例年以上に厳しいでしょう。体調管理にお気をつけください。