昨季ラ・リーガでは人種差別行為が10件確認

ブラジル代表でレアル・マドリードに所属するFWヴィニシウス・ジュニオールは、26日のスペイン戦を前に記者会見に臨み、自身が受けた人種差別について語り、涙した。

ヴィニシウスは会見で以下のように語った。

「ただサッカーをしたいだけなのに、前に進むのは難しい……(人種差別的虐待のせいで)ますますサッカーをプレイする気になれなくなった」

「(スペインを離れるなど)考えたこともなかった。離れるなら、人種差別主義者たちが望むものを与えることになるからだ。私は残るつもりだ。そうすることで、人種差別主義者たちに私の顔を見続けさせられるから。レアル・マドリードでプレイし、多くのタイトルを獲得していることも彼ら(人種差別主義者)にとって不快なことなのだろう」(英『BBC』より)

ヴィニシウスは、涙を流し、言葉を詰まらせながら、現在の心境を明かし、人種差別と戦うことを誓った。

昨シーズン、ラ・リーガでは人種差別行為が10件報告されるなど、深刻な問題となっており、ヴィニシウスはその標的になっている。2022年9月にはライバルクラブのアトレティコ・マドリードのファンが人種差別的なヴィニシウスのチャントを歌ったことが確認されている。また、2023年1月には、レアルの練習場近くにヴィニシウスの銅像を吊るしたとして、男性4人に6万ユーロの罰金と2年間のスタジアムの入場停止処分が科せられた。

今後、ラ・リーガは人種差別行為に対してどのような対策を講じるのだろうか。ラ・リーガの対応が待たれる。