子育てというのはとても難しいものです。正解はありませんし、Aくんに対しては正しかった子育てが、Bくんに当てはまるわけでもありません。

さらに最近は核家族化が進み、1人っ子の割合も増えてきています。兄弟がいないなかで、どの育て方がいいのか、迷うこともあるでしょう。実際に「この育て方は正しいのでしょうか」と多くの親御さんたちから質問を受けます。

私たちは、東大生100人へのアンケート結果をもとにまとめた『「自分から勉強する子」の家庭の習慣』という本を作りました。今回は、その本を編纂している中で見つけた、東大生の親御さんの育て方の指針となっている考え方や、東大生の親御さんたちが共感し、実践している内容が書かれた3冊を紹介したいと思います。


東大生の親は「子育ての不正解」を理解している

1 「やってはいけない」子育て

1冊目は、『「やってはいけない」子育て』です。東大生の親御さんたちに話を聞くと、「こういう子育てがいい」というような理想をはじめから持っていたわけでもなく、「この先生のやり方がいいと感じたので、それを真似た」と話す親御さんもあまりいない印象でした。

つまり、子育ての「正解」をわかっていて、行動していたわけではなかったようです。

しかし逆に、「こういうことはしないようにした」という「不正解」はわかっていたという人は、とても多い印象を受けました。そういう意味で、子育ては、「正解はないけれど、不正解はあるもの」なのかもしれません。