農作物への動物による被害が全国各地で深刻化する中、こうした獣害を逆手にとった地域づくりを進める島根県美郷町。誰でも簡単に使える獣害対策の製品を新たに開発しました。

美郷町で22日にお披露目された獣害対策の新製品。この赤いポールとクリップです。サルやイノシシ、シカなどの害獣が畑に侵入するのを防ぐための電気柵の設置用部品です。獣害対策に力を入れる町が、大阪の会社と共同開発。だれでも簡単に設置できるのがポイントです。どれだけ簡単なのか、町内の女性が実際に取り付けを体験しました。もともと設置されている金属製の柵に、クリップをワンタッチで取り付け。ここに電気が流れるワイヤーを巻きつけて延ばすだけです。

体験した女性
「もうちょっと難しいものかと思ったけど簡単ですね」

これまでの電気柵は、鉄製のパイプを組み合わせ、ワイヤーを結束バンドなどを使って固定していましたが、新製品を使えば設置や運搬にかかる労力を大幅に削減できるとしています。

体験した女性
「こういう状態ですので、柵は必要です。(これまでは)全部黒いバンドで止めて大変でした。これなら簡単ですね」

美郷町美郷バレー課・安田亮課長
「どういう風に簡単に楽ちんにできるかっていうところで、美郷ならではの商品になったかなと実感としてあります」

これまでイノシシの被害に悩まされてきた美郷町では、2023年から新たにシカによる被害が急増。柵を飛び越えるシカやサルにも対応できるよう、この新製品ではジョイントパーツを付けることで簡単に高さを出すこともできます。

美郷町美郷バレー課・安田亮課長
「これからは周りの町村や、悩んでいる同じような問題を持っているところと連携し、広域化を仲間を作っていくというところを取り組んでいきたいと思います」

美郷町は、町内だけでなく獣害に悩む多くの地域で普及させたいとしています。