日に日に気温だけでなく湿度も高まっていく時期。つくってから食べるまで時間のかかるお弁当はとくに食中毒が心配です。

食中毒を防ぐためには食材をしっかり加熱することが必要になりますが、ひとまず生野菜をできるだけ避けるとしても、普段加熱せずに食べている加工食品はどうすればよいのでしょうか。

今回は野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんに、いつもの食材を加熱する・しないの判別方法を教えてもらいました。

カギはいつもの保存方法!

ある食材をお弁当に入れるとき、加熱してから入れるかそのまま入れるか悩んだ場合は、いつもその食材をスーパーで買ってきて家で保存するのに冷蔵庫に入れているかどうかを基準にしましょう。

たとえば、海苔や昆布は常温で長期間保存できるので、そのまま入れてOK。

「そんなこと言ったら、ほとんどの食材を加熱しなきゃいけなくなる…」と思うかもしれませんが、実際その通りです。

気温・湿度ともに高くて食中毒の危険が高まる時期は、かなり様々な加工食品を加熱する必要があるのです。

以下の項目で詳しく見ていきましょう!

1.普段はそのまま入れていても加熱を:ハム・ベーコン・ウインナー

肉製品はとくにハムや皮なしウインナーなどは普段、加熱せずそのままお弁当に入れる人もいると思いますが、蒸し暑い季節は要注意。

たとえ「加熱せずにお召し上がりいただけます」と書かれている製品でも、お弁当に入れる場合は加熱しましょう。

2.できれば年中加熱したい:ちくわ・かまぼこ

練り製品はできれば蒸し暑い時期以外も加熱してお弁当に入れるのがおすすめ。

とくに、ちくわは前述のハムよりも塩分の含有量が低く、塩分は少ないほど保存性が下がるので、注意が必要です。

3.自宅での保存は常温でも…「例外」:缶詰

最後に1つ、例外をご紹介します。

それは缶詰です。

缶詰を自宅で保存するときは常温で置いていると思いますが、それは缶詰の密閉の度合いがかなり高いため。
つまり、ひとたび開けてしまえば、常温で保存できるという強みも失われます。

そのため、缶詰の食材を使ってお弁当のおかずをつくる際は、水気をしっかり切るのはもちろんのこと、できる限り加熱するのがおすすめです。

■執筆/植松愛実…身近な食材でできる時短作り置き料理やパーティー料理、簡単に彩りを増やせる料理のコツや、いざという時に備える災害食まで、「食」に関する情報を発信。また、東北や東海、関西にも住んだ経験から、各地の伝統的な食材にも詳しい。野菜ソムリエ、食育インストラクター、気象予報士など保有資格多数。


編集/サンキュ!編集部

※IHクッキングヒーターをご使用の場合は、説明書を確認し、指定の油量を必ず守って調理してください。
※気温の高い時期はおべんとうが傷みやすいので注意してください。気温25度以上の日には生野菜を避け、卵や練り物、肉・魚類にきちんと火を通すことをお勧めします。