【スーパーフォーミュラ】第3戦(決勝・6月23日/スポーツランドSUGO)

 雨と霧…レースをするには難しいコンディション。結果的にほとんどの周回がセーフティカー先導となった決勝で、ドライバーの的確な“無線”が話題となった。

【映像】“的確すぎる無線”の一部始終

 荒れた天候に見舞われた第3戦は、決勝前のウォームアップ走行で山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)がクラッシュ。決勝でも同じ最終コーナーで2台がクラッシュし、14周目で赤旗終了となった。

 セーフティカー(SC)の先導走行で始まり、SCは5周目にピットインしたものの、直後に起きたクラッシュで再度SC導入となるなか、中継では9周目を迎えたタイミングで坪井翔の無線が流れた。

 坪井はコースの状況について「基本的には雨量としてはずっと変わらない。さっきのフリー(走行)に比べると、ストレートの(タイヤが)浮いちゃうところ…川みたいなところは少なくなっている。状況としてはフリー(走行時)よりは良いのでは」と無線でコメント。

 続けて「(コース上の)水は少ないかな。霧でちょっと見づらい。ただ、(順位が)前の方だったらあまり気にならないかな」とチームへフィードバックした。

 これに解説でレーシングドライバーの中山雄一氏は「雨量はそこまで多くなくて、(懸念は)前の車の水しぶき。あとはタイヤの温度がなかなか上がらなくてコントロールが難しいところ。今、坪井選手がすごく丁寧に説明してくれて…普通、エンジニアが外から見た状況を伝えるのですが、全部教えてくれましたね」と言及。また、「ヘルメットでほっぺたがぎゅうぎゅうに押し付けられているので、その中で(ハッキリと)喋るのはなかなか大変なんですけどね」と解説した。

 視聴者からも「ってかよくここまでしゃべれるな」「坪井のフィードバック、これが彼の強さ」「レーサーが冷静」「説明判りやすくてタスカル」などの反響が寄せられた。

 レースは14周目に起きた阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)のクラッシュを受け、再開されることなく赤旗終了。中山雄一氏も「続けていくと10台に1台くらいは最終コーナーでクラッシュしてしまうのではという感じがあるので…」と言及したコンディションだったが、そのなかで3位表彰台に上がった坪井のプロの仕事ぶりが光った。

(ABEMA『スーパーフォーミュラ2024』/(C)JRP)