【AFP=時事】国連地雷対策サービス部は1日、パレスチナ自治区ガザ地区での紛争で生じた戦災がれきは3700万トンで、ウクライナでの紛争で生じたものよりも多いと明らかにした。

 撤去作業に伴う危険には、不発弾だけではなく、アスベスト(石綿)などの有害物質に暴露する可能性も含まれるという。

 UNMASの推計によれば、ガザで生じた戦災がれきの量は4月半ば時点で3700万トンに上った。

 UNMASのパレスチナ担当責任者ムンゴ・バーチ氏は「ガザは南北40キロしかないにもかかわらず、前線が1000キロ近くに及ぶウクライナよりも、がれきの量が多い」と説明した。

 だが、問題はがれきの量だけではないという。

 バーチ氏は記者団に対し、「がれきには大量の不発弾が混じっている可能性が高いだけでなく、他にも危険物が含まれているため、撤去作業はさらに困難になる」との見方を示した。

 同氏によると、ガザのがれきには「推定で80万トン以上のアスベスト」が含まれている」。アスベストは建材に使用されているが、発がん性があり、取り扱いには特別な対策が必要となる。

 UNMASはすでに500万ドル(約7億9000万円)の資金を確保しているが、ガザで今後1年間の活動を続けるにはさらに4000万ドル(約62億9000万円)が必要だとしている。

 バーチ氏は「ガザを再び住民にとって安全な場所にするには、今後数年にわたり何億ドルもの資金が必要となる」と述べた。 【翻訳編集】AFPBB News