絶滅が心配されているキノコ「シイノトモシビタケ」が、和歌山県串本町などの沿岸林で発生している。光るキノコとして知られ、幻想的な淡い黄緑色の光を放っている。
 かさの直径は1センチ前後だが、大きなものは3センチほどになる。全体に茶褐色で、茎の根元に白い毛がある。かさには細かい筋が入る。9月ごろまで朽ちたスダジイやツブラジイ(コジイ)、ウバメガシなどに発生する。雨が降った2、3日後に発生が多いといわれる。
 串本町の海岸林では倒れたスダジイに発生している。目が慣れてくるとあちらこちらで確認できるようになる。発生が多い時は星をちりばめたようにも見える。
 シイノトモシビタケは最初に東京都の八丈島で発見され、その後、すさみ町や串本町、那智勝浦町など紀伊半島南部にも分布していることが分かった。森林の環境の変化などで発生数が減少しており、県のレッドデータブックの絶滅危惧2類に選定されている。