和歌山県田辺市の大塔地域で、黄色いカエルが見つかった。通常は緑色をしたシュレーゲルアオガエル(アオガエル科)の色彩変異個体。展示を始めた県立自然博物館(海南市船尾)によると、目立つために捕食者に見つかりやすく、野外で成体まで育つのは非常にまれという。
 本州、四国、九州に分布する日本固有種。体長は3〜5センチほどで、主に樹上で活動する。
 博物館で両生類・は虫類を担当する高田賢人学芸員(27)によると、体の色を決定する色素のうち紫色の色素が遺伝的な理由で欠けているため、このような姿になったとみられる。
 このカエルは雌で、4月10日、田辺市在住の廣田守政さん(72)が所有する農地で見つけて捕まえ、同館に寄贈した。バックヤードでしばらく飼育した上で、今月18日から展示を始めた。詳しい採集場所は、私有地でもあることから非公表。廣田さんは「とてもびっくりした」と話しているという。
 博物館では、比較のために通常のシュレーゲルアオガエルと一緒に展示。高田学芸員は「ここまで大きくなれたのは強運の持ち主。見に来た方にも幸福が訪れたらうれしい」と話している。
 博物館の開館時間は午前9時半〜午後5時。月曜休館。入館料は大人480円。問い合わせは県立自然博物館(073・483・1777)へ。