日本の大学生2人と外国人3人が15日から、和歌山県田辺市秋津川を訪れ「梅ワーケーション」として梅の収穫や選別作業を手伝いながら地域住民と交流したり、観光したりしている。国際ボランティア団体NICE(ナイス)と、秋津川振興会の共催で、国内外のボランティアに梅や地域の魅力を伝え、次世代につなごうという取り組み。25日まで。

 訪れたのは、外国人がロシアのエレーナ・リースーコーフスカヤさん(42)、台湾のリン・ハイシンさん(25)、ベルギーのアマヒリス・グレセンスさん(20)。大学生は葛谷美乃里さん(21)=東京都=と小泉歩菜さん(20)=神奈川県。
 17日は秋津川小学校と秋津川中学校の児童生徒らによる交流会があった。小・中が一緒に使っている体育館で、特産の紀州備長炭を使った楽器「炭琴」について中学生が英語を使って説明。小学生による合唱や、小学4、5年生と中学生による炭琴演奏で歓迎した。
 発表の後は「だるまさんが転んだ」を日本語、フランス語、台湾語、ロシア語で遊んだ。最後に中学校の教室で、事前に小学生が収穫していた梅を使って梅ジュース作りを体験した。
 秋津川小5年の紺岡煌叶君は「少し緊張したけど、炭琴のきれいな音色を知ってもらえて良かった」、秋津川中3年の北川紘太郎さんは「言語が違うだけで、新しい遊びみたいだった。これからも交流をたくさんして、秋津川の魅力を知ってもらいたい」と話した。
 エレーナさんは「子どもたちの歌と演奏が素晴らしかった。日本語が少し分かるので、歌詞を聞くのも楽しかった」とほほ笑んだ。
 18日は、一行が宿泊している地域の会館で、神島高校の生徒と交流した。互いに自己紹介をした後、神島高生が商品開発プロジェクト「神島屋」の取り組みについて英語で発表した。
 発表後、神島高生が梅の収穫について感想を訪ねると、アマヒリスさんは「平地ですくう作業は簡単だけど、斜面で拾うのは大変。でもフレッシュな気分になった」、リンさんは「台湾にも梅があるけど、日本のは大きくて美しい。台湾は木から採るだけで、拾う作業がないから面白かった」と笑顔で話した。
■高校時代の計画実現
 今回のツアーは、私たちが神島高2年生の時に「神島屋」の活動で作成したプランだった。地域づくりに興味のある大学生を対象に、農作業や暮らしの体験から地域を支える人と交流できる2泊3日のツアーで、継続的に地域と関わる「関係人口」を増やすのが目的だった。
 在学中の開催はかなわなかったが、今回の企画につながり、取材という形で再び関わることができたのは本当にうれしかった。この取り組みは、来る人の学びになるだけでなく、地元の活力にもつながるだろう。今後の広がりにも期待したい。(岡﨑晴香)