■ネガティブマインドが充満する職場では、社員は貧乏になる?
多くの人が抱えるストレスで最も大きいのが「職場での人間関係」ではないでしょうか。

むろん家庭内や親戚関係、近隣住民、ママ友などでのストレスが大きい人もいるとは思いますが、圧倒的多数なのはやはり職場の人間界でのストレスでしょう。

そしてこれは統計を取ったわけではなく私の単なる仮説に過ぎないのですが、職場の雰囲気が悪いと貧困に陥ってしまう可能性があります。

その理由として、

・ネガティブマインドではパフォーマンスを発揮できない
・仕事に集中できず生産性の低下
・コミュニケーション不足や信頼関係不足によるチームワークの低下
・飲み会などストレス発散のための出費が増加

が挙げられます。

むろん、伸び盛りのスタートアップ企業では、人手不足とか業務量が多いとか、トップの言うことがコロコロ変わるなどといったひずみを生むことがあるので、そういった中での不満はあると思います。

しかし、たとえば日常的にパワハラが横行している、上司や同僚、会社の悪口・陰口を言うような雰囲気、和を乱すお局様やモンスター新人を排除できない、派閥による分断が起きているといった職場では、自分の能力を高めようとか、会社のためにこういう改善案や改革案を提案してみようといったモチベーションを持ちにくいでしょう。

すると当然自分の業績も上がらず評価されにくいばかりか、会社全体の業績悪化にもつながりかねません。そうなると給料も増えず、貧困に陥ってしまいます。ではどうすればいいのか。

■ネガティブな職場と、どうやって関わればいい?「離脱」も一つの方法
世界的な政治経済学者のアルバート・オットー・ハーシュマンによると、組織に対するメンバー(あるいは顧客)の関わりは、「離脱・発言・忠誠」の3つに分けられるといいます。できるだけ自分が貧乏になるのを防ぐためには、この3つの考え方をうまく用いるといいでしょう。

不満があるとか自分にとって意味や価値がないと感じるなら、さっさとその組織から離れるというのが「離脱」。転職により、収入を増やすことができるようになります。

「発言」は、たとえば上司・上層部に対する提言や内部告発などによって、組織の改善や活性化を訴え、望ましい姿への変革を迫る行為。会社の業績を上げることで収入増も狙えるでしょう。

最後の「忠誠」は、その組織に対するロイヤルティ(愛社精神みたいなもの)があり、組織との同化や連帯しようとする姿勢です。上司や同僚とうまくやることで、本人の評価が上がり、給与にも反映される可能性があります。

私はもう一つ、「染まる」という関わり方があると思っています。「染まる」とは会社に離脱も発言もする勇気はなく、かといって忠誠もなくかかわること。面従腹背でその組織にとどまるという、いわゆる「社畜」をするということです。この場合は、給与は増えないでしょうが、会社で許可されているようであれば副業等を行うことで、収入を増やし貧困化を防ぐことができるかもしれません。

結論として、職場の雰囲気が悪い人が、貧困化を防ぎたいのであれば、もしその会社に対して「忠誠」がなく「発言」する勇気(あるいはその価値)もないのなら「離脱」を選ぶ。

その会社に対して多少なりとも「忠誠」があり、いまの会社の在り方に強い疑問を感じ、会社を良くしたいと思うなら、勇気を持って「発言(提言)」する。それをやってもどうしようもないと思ったら、「離脱」に舵を切る。ということではないかと思います。

文:午堂 登紀雄(米国公認会計士)

大学卒業後、会計事務所などを経て、米国コンサルティングファームで経営コンサルタントとして経営戦略立案や企業変革に従事。貯金70万円を1年で3億円の資産に成長させた経験をもとに、お金持ちになる方法や考え方を伝授。

午堂 登紀雄(米国公認会計士)