車椅子インフルエンサーの中嶋涼子さんは3月29日、自身のX(旧Twitter)を更新。世間で注目を集めた映画館における車椅子の件について改めて報告しました。

■そもそも事の発端は?
15日のポストで、映画『52ヘルツのクジラたち』をイオンシネマのグランシアターで見終わった際に、支配人らしき人から「この劇場はご覧の通り段差があって危なくて、お手伝いできるスタッフもそこまで時間があるわけではないので、今後はこの劇場以外で見てもらえるとお互いいい気分でいられると思うのですがいいでしょうか」と言われたことを明かし、「久々に悔しい気持ちになった」「すごい悲しかった」と吐露した中嶋さん。

今までもグランシアターで映画を見て、スタッフに車椅子の移動を手伝ってもらっていたにもかかわらず、「なんでいきなりダメになるんだろう!」と。「イオンシネマの社長と話し合いたい」ともつづったことから、世間では映画館における車椅子のバリアフリー論争が巻き起こる事態になりました。

■「投稿した文章では正確に伝わっていなかった点」
今回のポストでは「【ご報告】」と題し、「先日『イオンシネマ シアタス調布』のグランシアターでの出来事について書いたSNS投稿に関連し、様々な意見や誹謗中傷などが飛び交う中で、誤って伝わってしまっている部分もあるのでいくつか訂正させていただきます」とつづった中嶋さん。

3枚の画像で、大きく3事項に分けて事情を説明しました。「投稿した文章では正確に伝わっていなかった点」については以下のように記載しています。

「・見たい作品がそのスクリーン(「グランシアター」)でしか上映していなかったこと
・グランシアターでの鑑賞は初めてではなく、4回目だったこと
・「今後はグランシアター以外の『劇場』で見て欲しい」と言われた際の「劇場」の意味を「映画館全体」と捉えている方がいらっしゃいますが、「グランシアター以外の劇場(スクリーン)」という意味であること」

また、イオンシネマとは、互いの意見を建設的に話すことができたようで、「誰もが観たい作品を観ることができるよう」にする運営面や、「車椅子ユーザーがどのようなサポートが必要か今後検討していく」という人員面、「簡易スロープや電動昇降機での対応」を考える設備面などで、前向きに協議を進めていることを明かしました。

■「私の思い」
最後に「私の思い」として、「今まで映画館のバリアフリーについて訴える場所がなかったので、企業と直接話し合うことができて本当に嬉しかったです」と気持ちをあらわにした中嶋さん。イオンシネマ側と「お互いに望むことやできることなどを話し合えたと感じます」と、充実感をにじませました。

映画館に限らず、健常者だけが不自由なく使えるように設計された施設はいまだ多くあります。身体的な障害があろうが、健常者と同じようになるべく“障害なく”アクセスできる考えに基づいた施設がこれから増えると良いですね。