ある程度年齢を重ねると、結婚式に招待されることも増えてきます。そんなときに気になるのが、「ご祝儀」のマナー。新郎新婦の関係や年齢、式への参加の有無など、さまざまな条件に左右されるだけに、自信を持って理解できていない人も少なくないかもしれません。

今回は「結婚式を欠席する場合のご祝儀」にまつわる疑問に、「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが回答します。

(今回の質問)
諸事情で結婚式を欠席します。打診の時点で断ったのですが、この場合でもご祝儀って渡すべきですか?

(回答)
友人や知人など、相手との関係やご自分の立場により、一般的な目安は5000円から1万円ぐらいが妥当です。同額の品物や商品券などを贈る手もあります。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■一般的な目安は5000円から1万円くらい
招待状が届いたときに断るのではなく、打診の時点で断るとなると少し迷うところですね。友人や知人など、相手との関係やご自分の立場によって考えると、一般的な目安は5000円から1万円ぐらいが妥当でしょう。それ以上の額になると、いらない気を相手に使わすことにもなります。現金でこの金額では不安だと思われるなら、同額の品物や商品券などを贈るのもありです。品物の場合はきちんとリサーチする、また友人でしたら、遠慮なくダイレクトに尋ねてみてもよいでしょう。

ちなみにあなたが独身で、自分が結婚式を挙げるときには来てもらいたいという相手との関係でしたら、5000円から1万円ぐらいの範囲のご祝儀と祝電を打つのもいいでしょう。相手との良好な関係を続けたいなら、品物や商品券でも気持ちが伝われば良いと思います。金銭的に難しいなら祝電だけでもOKです。

また、自分の結婚式に出席してもらったのに、やむを得ず欠席する場合、特に大変お世話になった方や親しい友人でしたら、いただいた同額のご祝儀でも問題ありません。しかしお祝い返しのことを考えると、反対に相手に相当な気遣いをさせることにもなるでしょう。披露宴に出席した場合は当然、フルコースの料理の上、引き出物のおみやげをいただきます。それをパスするわけですから、友人関係の場合の相場である3万円から料理分を差し引いた1万円前後という考えもありです。その場合、ご祝儀1万円に5000円前後のお祝いの品物をプラスして贈るのがよいでしょう。このようにご祝儀は出席する人と差をつけても大丈夫です。

仮に親戚から打診されて断った場合には、普段あまり付き合いのない遠縁関係ならご祝儀は不要な場合もあります。親族や親戚の方と相談するのがよいでしょう。

■ご祝儀を渡すタイミングは?
結婚式の前に当人と会う機会があれば、その際に直接手渡ししましょう。しかし直接会う機会がない、また相手が遠方にいる場合は、郵送でも仕方ありません。結婚式の1週間前くらいに届くように郵送します。お金をご祝儀袋に入れ、それを現金書留にして送りますが、ご祝儀だけではなく、お祝いの手紙も同封するとよいでしょう。品物を贈る場合も別便でお祝いのカードやメッセージを送るとよいのではないでしょうか。

この記事の筆者:中山 みゆき
All About がオープンした当初から3年半、前ガイドの夫と共に冠婚葬祭についての情報発信に積極的に関わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信し続けています。