家電量販店でも多く展示されている中国メーカ―のテレビ。存在感を増す背景には、どのような魅力があるのでしょうか。

「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が解説します。

(今回の質問)
中国メーカーのテレビをよく見かけます。どのような点が国内メーカーより優れているのでしょうか?

(回答)
中国メーカーのテレビの最大の魅力は“コスパ”にあります。加えて、画質などの性能、機能性、デザイン、価格のバランスの良さなどもあり、人気が上昇しています。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

■コスパの良さと品質で人気が上昇中
世界のテレビ市場で多くのシェアを取っているのが韓国メーカーのサムスン電子、LGエレクトロニクス。これらのメーカーに加え、最近では中国メーカーのTCLやハイセンスなどがシェアを伸ばしており、国内企業のソニーやシャープなどは世界的にはあまり存在感を見せられていません。

一方で、日本市場では国内メーカーのシェアが大きい状況が続いていました。これは、「国内メーカーの製品に対する信頼感」や「画質を徹底的に追求する姿勢」「細部にまで気を配るものづくり」といった理由によるものではないかと思います。

しかしそんな日本でも、これまであまりなじみのなかったハイセンスやTCLといった中国のメーカーの人気が上昇しています。これは、それらのメーカーの製品の品質の高さやコスパの良さが認められ、ブランド認知度が上がってきているからだと考えられます。

特にハイセンスは、かつて東芝として製造・販売していたテレビブランド「REGZA(レグザ)」シリーズの開発製造部門を買収し、現在TVS REGZA社として活動しています。画質や機能性に定評のあるREGZAシリーズの映像ノウハウはハイセンスのテレビ製品にも生かされており、いい相乗効果が生まれている状況です。また、最近ではいわゆる“ジェネリック家電”メーカーなどと呼ばれる新興メーカーからもテレビ製品が製造販売されています。

■購入時に注意したい点は?
購入時に注意したいのが、海外メーカーの製品は世界市場で販売する製品をそのまま日本向けにしたものもあるため、国内メーカーの製品に比べて日本のユーザーが使いやすいような細かい作り込みがなされていない場合があること。しかし、コスパがいいのは確かです。気になる人は、一度家電量販店などで製品作りの違いを確認してみてはいかがでしょうか。

この記事の筆者:安蔵 靖志
ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。記事執筆のほか、テレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手掛ける。