人気コメンテーターのライト氏「数百万ドルの紛失に気付かないことも…」

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手は、長く専属通訳を務めた水原一平氏が巨額の違法賭博に関わったとされる件で、25日(日本時間26日)に声明を発表した。自身が賭博に関わったことはなく、胴元への自身の口座からの送金は知らぬうちに行われていたと主張している。これに米国では様々な反応が上がっており、スポーツ関係の有識者の間でも意見が割れている。

 議論の中心は、450万ドル(約6億8000万円)を超えるとされる巨額の振り込みを、大谷に知られず水原氏が行えるのかという点にあるようだ。米スポーツ専門局「FOXスポーツ」の番組「The Herd」でホストを務めるコリン・カワード氏のポッドキャスト番組でも議論が交わされた。

 公式YouTubeで公開された動画によると「FOXスポーツ」の番組「ファーストシング・ファースト」で司会を務める人気コメンテーターのニック・ライト氏は「私には奇妙な傾向があって、口座にお金が入っていると分かっていても、銀行のアプリを開くのが難しい。頭の中に変な感覚があるんだ。もし私が誰かに金を盗まれたとしても、数か月間気づかない可能性はある」と持論を展開。その上で「私の個人的な意見としては、お金を盗まれるのは運がなかった場合が多い。信じていた人が不誠実か問題を抱えていた場合だ」とした。

「異国に来て、自分のために通訳をしてくれる人以上に信頼できる人などいるだろうか? どんな会話もその人物を通すのだから信頼せざるを得ない。そんな人物に金を盗まれているなんて予想できないだろう。もしその人物からお金を盗まれていると心配しなければいけない場合、全ての会話で嘘をついているのではないかと疑わなければいけなくなる」と、大谷が水原氏の行動に疑問を持つのは難しい状況だったと指摘した。

「だから、数百万ドル紛失していることにオオタニが気づかないことは十分にあり得ることだと思う」と、大谷の声明を信用する立場をとっている。司会のコリン・カワード氏も「彼(大谷)は被害者だと思う」と同調している。

NYポストの記者は批判的…大谷が知った上で肩代わり説を「しっくりくる」

 また米国のストリーミングサービスで展開される「ザ・リッチ・エイゼン・ショー」の司会で、大谷のファンとしても知られるリッチ・エイゼン氏も「通訳が嘘をついていて、ショウヘイは数百万ドルを失っていたのを突然知ったということを私は信じたい。なぜなら、ショウヘイ・オオタニはまさしく私が応援したいと思える存在だからだ」と、大谷の声明を支持している。

 ただ「毎日このストーリーは奇妙になっていっている。オオタニが語ったことを信じるのが日を追うごとに難しくなっている」と一方では違和感がどんどん大きくなっているのも隠そうとはしない。

 米スポーツ専門局「ESPN」の、大谷側に「当局のどこに通訳について通報したのか」を聞いても返事がないという報道にも触れ「もし誰かにとんでもない金額を盗まれたら、私ならどの当局に報告したのか喜んで教える」とし、その姿勢を不思議がってもいる。

 米ニューヨーク州の地元紙「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者は、同紙の公式YouTubeチャンネルに出演し「オオタニがお金に無頓着な可能性が高いのは良いサインだが、メディアからの質問に答えなければいけない」とし、25日(同26日)の声明が質問を一切認めないスタイルで行われたのを批判している。

 さらに「そもそも彼(大谷)はあまり取材に応じないから、通訳の仕事にも疑問が沸く。彼は話さないのだから(通訳の)仕事は何なのだ? 私はドジャースのキャンプに3日間いたけど彼は一切話さなかった」と普段の大谷の報道対応にも批判的だ。こちらも水原氏が「ESPN」のインタビューに応じ、大谷が水原氏の借金を知ったうえで肩代わりして返済したという証言に触れ「わたしはこちらの方がしっくりくる」としている。

 また同紙のジョエル・シャーマン記者は「ESPN」の報道について「その報道は最初、代理人によって与えられたものだった。広報が彼(水原氏)をESPNで喋らせたんだ。その後に翻した。だから全てがうさん臭く感じるんだ」という見方を披露している。

(THE ANSWER編集部)