プロテストトップ合格・清本美波が示した確かな成長

 プロテストでぶっちぎりのトップ合格を果たした18歳に光明が差した。26日から3日間、千葉・浜野GC(6669ヤード、パー72)で行われた女子ゴルフの国内ツアー・パナソニックオープンレディース。新人・清本美波(ジェイテクト)は第2日に初のアンダーパーで回った。初受験の最終プロテストに2位と5打差で合格し、いきなり期待を集めることになった18歳。ひたむきに努力を続け、ツアー4戦目を終えた春の現在地に迫った。(文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

 第一線で戦える喜びと感謝を込め、頭を下げた。第2日スタート直前の10番、ギャラリーの拍手が響く。コースにお辞儀した清本はクラブを颯爽と振り抜いた。「ナイスバーディー」と観客に声を掛けられた14番。「ありがとうございます」。丁寧に返す姿が見られたのは一度や二度ではなかった。

 一気に注目を集めたのは昨年11月の最終プロテスト。受験者数698人、合格率3%台の難関を現役高校生がトップ合格した。2位に5打差をつける通算17アンダーのぶっちぎり。「実力以上のパワーが出て、何をしても上手くいく感じでした」。前途洋洋でプロになったが、1か月後の最終予選会(QT)は100位。出場権を得られず、出はなをくじかれた。

 開幕後は主催者推薦でチャンスをもらったものの、今大会前まで3戦とも予選落ち。「多くのギャラリーの前で打つことや、他のプロの方とのプレーに緊張してしまった」。強く憧れた舞台だけに空回り。プロテストのような“イケイケ”ではいられなかった。「自分のペースで」と心に誓い、ドライバーショットのトップを深く取るなど技術改善に集中。真っ直ぐ飛ぶにつれ、自信も蘇った。

「緊張を楽しさに変えられるようになってきた」。今大会第2日は70で回り、ツアー8ラウンド目で初のアンダーパー。キャディーと笑顔で話す余裕も出てきた。決勝ラウンドに3打届かなかったが、「チャンスはいっぱいあって、ほんの少し噛み合わなかった2アンダー。ゆっくり良い方に向かっている」と晴れやかに笑う。

 休日はネイルや美容院でオシャレを楽しむ“普通”の18歳。一方、年始の能登半島地震直後には「微力ながら」と寄付に動いた。今後は下部ツアー1戦を挟み、レギュラー5戦目は5月16日開幕のブリヂストンレディス(千葉・袖ヶ浦CC)。「もらっているチャンスなので頑張りたい。今後活躍できる選手に」。ラウンド後もコースにお辞儀した18歳。大輪の花を咲かせるまで焦る必要はない。

■清本 美波/Minami Kiyomoto

 2005年8月29日、愛知・一宮市出身。6歳でゴルフを始め、愛知・誉高1年だった21年10月の樋口久子 三菱電機レディスは18位でローアマチュアを獲得。スポーツ歴はダンス。趣味は景色を見ること。目標のプロはタイガー・ウッズ。身長153センチ。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)