ワールドレディスサロンパス杯第3日

 女子ゴルフの国内ツアーメジャー大会・ワールドレディスサロンパス杯は4日、茨城GC東C(6665ヤード、パー72)で第3日が行われた。10位で出た河本結(RICOH)は4バーディー、1ボギーの69で回って通算5アンダー。首位のイ・イェウォン(韓国)に5打差の5位に浮上した。長い低迷を乗り越え、今季は好調。不振だった弟の河本力は中日クラウンズ第3日で首位に3打差の5位につけている。ともに勝てば史上初の姉弟同週Vとなるが、姉は「欲を出したらダメ。無欲で勝てたら」と冷静だった。

 河本は決して好調ではなかった。それでも、ロブショット、木の枝下を通すショットなどを駆使して耐えつつ、4バーディーを奪った。

「ショットがあまりいい状態ではなかったのですが、ピン位置が優しくて『伸ばしてください』という感じでした。距離は残っても入りやすい位置にボールを置きました」

 1998年度生まれの黄金世代。プロテスト合格翌年の2019年アクサレディスで初優勝を飾り、賞金ランク6位に入った。だが、その後は勝てない状況が続き、22、23年シーズンは不振にあえいだ。その間に男子ツアーで頭角を現したのが弟の力。姉弟で食事に行った際のことを聞いても、「だいたいが焼き肉ですが、稼いでいる弟におごってもらっています」と明かしていた。

 だが今季は状況が逆転。力が開幕からつまずく中、結は出場9戦中トップ10入り4度と好調に転じ、今週の大会前には「キャディーやコーチに頼らず、自分で考えてゴルフをしなさい。そうしないとゴルフ脳が活性化しないから」と弟に伝えたという。

 その効果か力はこの日、1番パー4でワンオン、ワンパットでイーグルを決めるなどし、首位に3打差の5位につけた。結自身は首位に5打差。逆転Vを狙うが、言葉は冷静だ。

「私は無理でしょ。特にこのコースは欲を出したらダメですし、無欲で気付いたら勝っていたという感じならいいですね。弟は優勝してほしいけど、この先も長いので自分の将来に向けて頑張ってほしいです」

 無欲の先に姉弟による快挙はあるのか。姉は真の復活を目指し、最終日も自分のゴルフに徹する。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)